【無手勝流(むてかつりゅう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

無手勝流(むてかつりゅう)

時代劇を見ていると、剣豪の多くは「~流」という流派に属していますよね。有名なところでは宮本武蔵の「二天一流」で、これらは現代の剣道や剣術として脈々として受け継がれていると思います。専門家ではないので詳しくは分かりませんが、剣術の流派とは大きな存在なのでしょう。今回の「無手勝流」はある意味で究極の戦法でもあり、これを極めれば天下統一も夢ではなかった事でしょう。それでは詳しい解説となります。

無手勝流の意味

「無手勝流」の意味は以下の通りです。
・戦わずに勝つ。武器を用いたり力に頼らずに人に勝つ。
・頭や作戦などで勝負に勝つ事。
・自分勝手な方法で挑む。自己流のやり方を通す。
・剣士・塚原卜伝の異名。
「無手勝流」は、戦わずに勝つという意味が大前提にあります。そして、武器を用いないで作戦・策略で勝つというものと、自己流の方法というものに分けられます。当時は刀など武器を用いて戦うのが常識なので、そこで力ではなく頭を使った賢さ(策略)というのは画期的ですが、同時にこれらは全て自己流だったのだろうと理解できます。”無手勝”は「武器無しで勝利」、”流”は「物事のやり方」という意味になります。

無手勝流の由来・出典

「無手勝流」の由来は、日本の戦国時代の剣士・塚原卜伝が真剣勝負を挑まれた際、相手を渡し舟から上がらせ、自らは降りずに竿で舟を動かし無用な戦いを避け、その時に「戦わずに勝つ。これが無手勝流」と発したと伝えられています。

無手勝流の類義語・同義語

「無手勝流」の類義語は「自己流」「我流」「オリジナル」などで、四字熟語では残念ながらありません。

無手勝流の使い方・例文

例文1.無手勝流を長年貫いた男が、最後には総裁まで上り詰め日本のトップになった。
例文2.無手勝流は、平和な現代こそ実は真価が問われていると思えてならない。
例文3.対戦相手が腹痛で欠席したので、気が付いたら無手勝流で一勝をあげてしまった。
例文4.息子は無手勝流の天才で、最後は泣きべそによってどんな勝負も強引に勝ってしまう。
例文5.無手勝流を極める為に、いい年をしながら剣道を始めたが、想像以上の稽古厳しさに最近は間違った選択をしたと思えてならない。
無手勝流を使った例文となります。

無手勝流の会話例

男性
やっとお昼だよー。
女性
サラリーマンにとって、昼休憩だけが息を抜ける瞬間ですからね。
男性
おっ、その愛妻弁当美味そうだねー。いいなー。うちのは料理が下手で、無手勝流とかいってレシピを見ないで作るんだよ。
女性
まだ新婚ですから。それだと味が決まらないですよね。

熟年夫婦のサラリーマンと新婚のサラリーマンのお弁当についての会話例です。

無手勝流の豆知識

「無手勝流」の由来であり、また異名ともされる塚原卜伝は茨城県鹿嶋市出身の剣士として知られています。全国的には知名度が低いですが、伝説の剣術家・宮本武蔵が勝負を挑んだとされていました。しかし実は、宮本武蔵が生まれる前に塚原卜伝は既に亡くなっていたようで、これは願望めいた作り話だったとされています。

無手勝流の難易度

「無手勝流」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、小学校中学年から低学年レベルの四字熟語となります。

無手勝流のまとめ

「無手勝流」は、戦わずに勝つ、武器を使用しないで勝つ、自己流という意味を持つ四字熟語です。戦国時代の剣士・塚原卜伝を由来として、時代が時代だけに戦闘に関する言葉が多い中で、戦わずに勝つというある種、現代にも通じるものがある非常に画期的なものです。

無手勝流で座っている男性
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