【一樹百穫(いちじゅひゃっかく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

一樹百穫(いちじゅひゃっかく)

「一樹百穫」とは「育てた人材は将来大きな利益をもたらすという喩え」です。現代は何かと目先の利益に走って人件費を削る事ばかり経営者は考えてしまいますが、本来は最も大事なのは人材なのです。優秀な人材がいるから企業は成長をして潤い、それを社員や地域などに還元するのです。これは確かに理想論ですが、だからこそ「一樹百穫」を大切にする必要があるのではないでしょうか。

一樹百穫の意味

「一樹百穫」の意味は以下の通りです。
・人材育成をするといずれは大きな利益に繋がるという教え。
・育てた人材が大きな利益をもたらすという喩え。
・壮大な計画を実現させるには人材の教育こそが必要になるという教え。
”一樹”は「1本の立木」「1本の木を植える」、”百穫”は「百倍の収穫」で、1本の木を植えるといずれは百倍の木々に増えるとして、転じて人材育成の重要さを説く四字熟語が「一樹百穫」です。1人の人材を育てて一人前にすれば将来的には大きな利益をもたらすとされ、だから大切に育てる必要があるのです。そこから現在でもスローガンなどに導入する企業が多く、大勢から馴染み深い言葉になっています。使い方としては「一樹百穫の信念」「一樹百穫を実現する」「一樹百穫を目指す」といった風になります。

一樹百穫の由来・出典

「一樹百穫」の由来は古代中国の老荘思想「道家」(又は法家)の書物「管子」の権脩となります。

一樹百穫の類義語・同義語

「一樹百穫」の類義語には、「人材育成」「人材教育」「人材指導」「社員育成」などが挙げられます。

一樹百穫の使い方・例文

例文1.新社長の号令によって一樹百穫を取り組む事になったが、いくら田舎とはいえハローワークに月給13万で募集して人が集まる訳がない。
例文2.一樹百穫が本当の意味で日本に浸透するには100年掛かるだろう。
例文3.一樹百穫をしてもしなくても、我が社が数年以内に倒産するのは明らかだ。
例文4.参議院の選挙戦を見ていると日本が経済大国から失墜した理由が垣間見れ、一樹百穫が必要なのは本来は政治家の方だが2世や3世議員にタレント議員など救いようのない連中が立候補するのだから情けない。
例文5.日本における一樹百穫の成功例は、文句も言わず黙々と薄給で働き続け感情を放棄した社畜になる事のようだ。
「一樹百穫」を使った例文となります。

一樹百穫の会話例

男性
うちの会社は今度どうなっていくと思う?
女性
まさか社長が突然辞めて、外部から新社長を招聘するとは夢にも思っていなかったから、まったく想像できないわよ。
男性
そうだよな。でもこれがいいチャンスになるかも知れない。一樹百穫を徹底すれば、将来的にはまた業界大手に返り付けると思わない?
女性
ごめん…。まったく思わない。今の私達が中国や国内他社のレベルに追いつき追い越すのは至難の業よ。

新社長就任で揺れる職場の同僚同士の会話です。

一樹百穫の豆知識

「一樹百穫」から”人材”に関する四字熟語は、数は少ないが優秀な者の集まり「少数精鋭」、人材を登用する際には人物鑑定の基準とする「身言書判」、将来有望とされる人「新進気鋭」などがあります。

一樹百穫の難易度

「一樹百穫」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、”穫”は3級で中学卒業レベル、”樹”は5級で小学校高学年レベル、”一”と”百”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一樹百穫のまとめ

「一樹百穫」は人材を育てる大切さを説いた四字熟語で、人を育成すれば大きな利益をもたらすという喩えです。現代の企業・組織文化にも通じるところがあり、スローガンなどで「一樹百穫」を導入しているところも多いようです。一人の人材によって将来的には百倍の収穫となって還元されるのが「一樹百穫」で、だからこそ人を育てないと成長を遂げるのは難しいのです。

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