四角四面(しかくしめん)
｢四面楚歌｣は有名ですけど、｢四角四面｣は一瞬何の事か考えてしまいませんか？ 正方形や四角形の事なのか、それとも転じて何かの喩えなのかと浮かんでは消えるものです。私などは、一瞬引っ掛けであり誤用だと思ったほどです。では、そんな簡単そうで正確な意味がよく分からない言葉｢四角四面｣について調べてみました。
四角四面の意味
｢四角四面｣の意味は以下の通りです。
・生真面目。堅物。真面目で堅苦しい。真面目すぎて面白味に欠ける。畏まっている。
・真四角。正方形。四角四方。
｢四角四面｣は元々は正方形の事で、それが転じて生真面目や真面目すぎる、ひいては堅物や面白味に欠ける人物といった意味となりました。本来は真面目な事は良い事ですが、あまりにも度が過ぎると人間性が疑われたり、周囲からは浮いてしまう存在となるのでしょう。ですから、融通が利かない、馬鹿正直、杓子定規、石頭などともほぼ同義となります。実際に使用する際には、｢四角四面な性格｣｢四角四面の対応｣といった感じが多くなります。
四角四面の由来・出典
｢四角四面｣の由来は、中国隋代の歴史書｢随書｣となります。
四角四面の類義語・同義語
｢四角四面｣の類義語には、｢石部金吉｣｢謹言慎行｣｢杓子定規｣などが挙げられます。
四角四面の使い方・例文
例文1.課長は四角四面な方なので、お酒どころかタバコもパチンコも何一つ遊びをしないで、毎日真っすぐ家に帰るそうだ。
例文2.四角四面同士の結婚と友人達に揶揄われもしたが、互いに真面目な方が結婚生活は絶対に長続きして上手くいくと断言できる。
例文3.四角四面な父が実はアウトドア派で、てきぱきとキャンプ出来る事に兄弟が大変驚いた。
例文4.不正や悪巧みをする議員や役人を見ると、学生時代はどんなに四角四面で両親などから評判が良くても、大人になって権力を握るとろくなことにならない典型だ。
例文5.姉は四角四面な性格なので、どんなに疲れていても掃除や家事をきちんと終わらせる。
真面目や堅物を｢四角四面｣とした例文です。
四角四面の会話例
仕事で疲れた帰ったきた夫に、ビールぐらい飲むよう妻が促す会話です。
四角四面の豆知識
｢四角四面｣の”四角”は正方形や長方形といった意味がすっかり定着していますが、他にも、人の態度などが型に嵌まって堅苦しいといった意味もあります。因みに性格診断などは別にして、三角や五角ではこの様な意味はありません。また、”四面”は四つの面ですが、周囲や四方(東西南北)ともなります。戦争などで｢四方を敵軍に囲まれた｣といった使い方が有名です。
四角四面の難易度
｢四角四面｣は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、”面”は8級で小学校中学年レベル、残り二文字は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
四角四面のまとめ
｢四角四面｣は正方形の事ですが、転じて、真面目や生真面目に堅物、さらに面白味がない人や畏まっているという喩えとしても用いられる四字熟語です。
