【浩然之気(こうぜんのき)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

浩然之気(こうぜんのき)

「浩然之気」とは「公正明大な精神や道徳的な勇気を持ち合わせている事」です。要するに尊敬に値する人の中でも、素晴らしい気持ちや勇気を兼ね備えた人が「浩然之気」という事なのでしょう。実際にはこのような素晴らしい人は少ないので、だからこそ称える際に使われるようです。

浩然之気の意味

「浩然之気」の意味は以下の通りです。
 ・天地の間に満ちている大きく強い気。
 ・公正明大で恥じる事のない精神から、何事にも屈しない道徳的な勇気。
 ・天地に恥じる事のない行動をする事で自然と生まれる壮大な気持ちや強い精神。
 ・諺「浩然の気」も同義。
”浩然”は「広くて大きい」、”気”は「気持ち」「精神」で、何事にも縛られない自由な気持ちや強い精神が「浩然之気」です。要するに権力者や社会の常識などに囚われない壮大や勇敢さを表し、その自由さに憧れて諺「浩然の気を養う」といった風にも使われます。普通なら何かに気を遣ったり、社会の暗黙ルールに縛られてしまいますが、のびのびと自由で細かな事は気にしない態度や生き方に憧れています。

浩然之気の由来・出典

「浩然之気」の由来は中国戦国時代の儒学者・孟子の書物「孟子」の「公孫丑」となります。

浩然之気の類義語・同義語

「浩然之気」の類義語には、「正大之気」などが挙げられます。

浩然之気の使い方・例文

例文1.隣に住む人は全身タトゥーだらけで、社会のルールなどは完全無視した浩然之気で生きる姿に少しばかり憧れてしまう。
例文2.退職を機にこれからは世の常識からドロップアウトして、浩然之気な悪者として強く生きていく。
例文3.酔っぱらうと一時的に浩然之気になるが、酔いが覚めると結局はヘタレに戻る。
例文4.パパ活議員にカルト議員も顔だけ見ると浩然之気な感じもするが、国を良くするよりも自分自身の欲求しか考えていない獣のような男だ。
例文5.若い頃は浩然之気を持ち合わせていたが、段々と何かに歯向かうのは面倒なだけで碌な事がないと分かってしまうと、大人しく静かに生きる方を選択してしまう。
「浩然之気」を使った例文となります。

浩然之気の会話例

男性
帰りに駅のロータリーを通ったら、若者達が酒を飲んで騒いでいて…。
女性
それでどうしたの? まさか注意とか…。
男性
そんな恐ろしい事を俺がする訳ないじゃん。浩然之気な気持ちなんて1ミリも持っていないよ。そそくさと下を向いて帰ってきたよ。
女性
そう、それでいいのよ。触らぬ神に崇りなしよ。彼等も後10年もしないで、あなたと同じヘタレ中年になるんだから。

騒いでいる若者を無視して家路に着いたという内容です。

浩然之気の豆知識

「浩然之気」から”勇気”に関する四字熟語は、勇気を奮い思い切って何かをする「懸崖撒手」、がむしゃらに腕力を振るうだけの詰まらない勇気「匹夫之勇」、知恵も勇気も兼ね備える「智勇兼備」などがあります。

浩然之気の難易度

「浩然之気」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”浩”と”之”は準1級で大学一般レベル、”然”は7級で小学校中学年レベル、”気”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

浩然之気のまとめ

「浩然之気」は強い気持ちや勇気を持つと言う事で、特に何事にも屈しない道徳的な勇気を持ち合わせた人を称えています。また、物事に囚われない大らかな気持ちともなるので、周囲からの影響などを受けず自分をしっかり確立させているとも理解できます。

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