拳拳服膺(けんけんふくよう)
｢拳拳服膺｣とは｢名言などを心に留めて忘れない事｣です。要するに、それぐらい自分にとって特別な言葉を大切にしていると理解できます。世の中は偉人や有名人の名言で溢れ、その中には思わず共感や感動をするものがいくつかあったりしますよね。そんな言葉を今後の人生の支えとして忘れないように大事にするのが｢拳拳服膺｣です。それでは解説に入らせて頂きます。
拳拳服膺の意味
｢拳拳服膺｣の意味は以下の通りです。
・人の教えや言葉を心にしっかりと留めて決して忘れない。
・心中に銘記して常に忘れない事。
・｢拳々服膺｣も同義。
”拳拳”は｢丁寧に両手で捧げる｣｢固く握り離さない｣｢慎む｣、”服膺”は｢胸に付けるで心に留める｣｢他人の戒めや命令などを忘れないで心に留める｣で、大切な人の教えや言葉を忘れないで常に胸に刻み大事に守るのが｢拳拳服膺｣です。自分が大きな失敗をすると、その時に助けてくれた人の言葉が糧となって、逆に忘れようとしても脳裏から離れないものです。また、本や映画の一部分がその後の人生を左右するほど影響を与えたら、同じく頭の片隅に残り続けたりします。そんな大切な記憶となったのが｢拳拳服膺｣です。
拳拳服膺の由来・出典
｢拳拳服膺｣の由来は、古代中国の儒教経書｢四書｣の一つ｢中庸｣の八章となります。
拳拳服膺の類義語・同義語
｢拳拳服膺｣の類義語には、｢銘肌鏤骨｣｢銘心鏤骨｣などが挙げられます。
拳拳服膺の使い方・例文
例文1.入院している時はこれまでの人生が走馬灯のように駆け巡ってきて心細くなったりもしたが、そんな時に励みになったのは新人看護師の言葉で、退院した今は拳拳服膺になればと紙に書いて部屋に飾っているほどだ。
例文2.ボブディランの名曲は心に沁みて、自分だけでなく世界中のファンが拳拳服膺となっているだろう。
例文3.時代に名を遺す偉人は大抵は明言を残すもので、それは拳拳服膺としてまた新しい人々に受け継がれていく。
例文4.可愛い愛犬は私が亡くなっても、共に発したワンワン語を拳拳服膺としていつまでも記憶の片隅に残してくれるだろうか気になる。
例文5.ヤクザ関連の書籍ばかりを読み漁っていた友人が警察官に採用されたのは笑ったが、そんな彼の部屋には某大物組長の言葉が額縁に入り飾られ拳拳服膺として大切に扱っているようだが、本当に思想的に危険人物なのではと思えてならない。
大切な言葉や忘れない言葉というニュアンスで｢拳拳服膺｣を使った例文です。
拳拳服膺の会話例
プロポーズの言葉について男女が会話をしています。
拳拳服膺の豆知識
｢拳拳服膺｣から”忘れない”に関する四字熟語は、一声かけてもらった事を忘れずに感謝する｢一言芳恩｣、少しの恩義を忘れてはいけないとする戒めの言葉｢一宿一飯｣、僅かな恵みの喩えでそれを忘れてはいけないとする戒め｢一飯之恩｣、敗戦の屈辱から他人から受けた忘れられない屈辱の｢会稽之恥｣、ぼうっとして我を忘れる｢恍恍惚惚｣などがあります。
拳拳服膺の難易度
｢拳拳服膺｣は漢字検定1級から8級相当の文字組み合わせで、”膺”は1級で大学一般レベル、”拳”は2級で高校卒業レベル、”服”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。
拳拳服膺のまとめ
｢拳拳服膺｣は人の教えや言葉を胸に刻み決して忘れない事です。偉人の名言、亡き両親の最後の言葉など誰でも胸から離れず忘れられない言葉が一つや二つはあるもので、それが｢拳拳服膺｣の事です。”拳拳”は両手で大切に扱う、”服膺”は心に留めるで、二つを合わせて｢胸に刻む大切な言葉｣というニュアンスになります。
