【酒池肉林(しゅちにくりん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

酒池肉林(しゅちにくりん)

「酒池肉林」は男性が喜びそうな言葉ですよね。どちらかと言うと下品でアダルト的な表現として知られ、女性などは嫌悪感を抱くのではありませんか? 一方、四字熟語をある程度学ぶと疑問も生じるものです。 果たして本当にそんな意味合いが込められているのか、という事です。大昔の中国の偉人がそんな言葉を態々残し、それが日本に伝わり浸透するものでしょうか? そんな疑問を解決する意味でも、詳しい解説となります。

酒池肉林の意味

「酒池肉林」の意味は以下の通りです。
・酒や肉料理が豊富にある豪華な酒宴。贅沢な宴会。
・ご馳走ばかりの宴会や酒宴。
・誤用である美女に囲まれた宴会、淫らな宴会、酒を飲み色欲まみれ生活の喩え。
「酒池肉林」とは酒や肉が豊富な宴会で、要するにご馳走の食べ放題・名酒の飲み放題の宴といったところです。当時は珍しい豪華な宴会なので、その楽しさを「酒池肉林」と形容しました。”酒池”は「(酒が入った池から)大量の酒」、”肉林”は「(豊富に肉料理がある)豪華な宴会」といった意味があります。本来の「酒池肉林」はこの様な「豪華な宴会」を喩えた言葉ですが、日本においては拡大解釈がされ「豪華な宴会」「淫らな宴会」「淫らな生活」についてとなります。特に”肉林”を「肉欲的」に誤解したものが多く、「淫らな生活」に至っては本来のご馳走や肉料理が無くなり、単なる酒と女に溺れる男となっています。正確な意味を踏まえると現代の日本でも、「乱痴気騒ぎ」「バカ騒ぎパーティー」「どんちゃん騒ぎ」あたりが類似となりますが、どうしても性的な意味合いが「酒池肉林」には強いので、誤解を避ける為に親しい仲だけで使用するなど、制限を設けた方が無難です。

酒池肉林の由来・出典

「酒池肉林」の由来は、古代中国の歴史書「史記」の「殷本紀」となります。日本での文献としては、川柳の句集「誹風柳多留」(1801年)に文言が残されています。

酒池肉林の類義語・同義語

「酒池肉林」の類義語には、「肉山脯林」「長屋之飲」などが挙げられます。

酒池肉林の使い方・例文

例文1.お正月は酒池肉林の日々だったと口にしたら、女性社員の冷たい視線を感じ、使い方を誤ったと理解した。
例文2.昔の大物芸能人などは、本当に酒池肉林な日々を楽しんでいたようだ。
例文3.ドバイなど景気良い国での酒池肉林な生活に憧れ、宝くじを毎回購入している。
例文4.娘が漫画の影響で酒池肉林を覚えてしまい、夫婦揃って説明に困惑した。
例文5.薄給な私の精一杯の酒池肉林は、コンビニで酒とつまみを買い、お気に入りアイドルのライブチャットを見るぐらいだ。
人によって酒池肉林な状況は違いますよね。

酒池肉林の会話例

男性
週末旅行に行くんだよね?家族って、Bさんは確か3人もお兄さんが居るんだよね。
女性
家族全員で温泉に行ってきます!はい。それに父もいます。
男性
そんな男ばかりに囲まれて温泉旅行に行くの?
女性
ちょっとした逆バージョンの酒池肉林ですよね。

彼女にとっては酒池肉林な状況なのですね。

酒池肉林の豆知識

「酒池肉林」はやや過激な言葉とも捉えかねないので、もう少しマイルドな表現でお酒の楽しみや宴会を伝えたないなら「飲酒高会」「紅灯緑酒」「美酒佳肴」あたりを使った方が無難です。特に女性、若い男性、初対面の相手などはこれらを使う方が望ましいです。

酒池肉林の難易度

「酒池肉林」は漢字検定8級から10級相当で、小学校中学年から低学年レベルの容易な四字熟語となります。

酒池肉林のまとめ

「酒池肉林」は、元々は肉や酒が多い豪華な宴会、ご馳走が多い酒宴といった意味の四字熟語でしたが、日本の場合はこれらに加えて、淫らな宴会や酒と色欲の生活といった誤用が広く浸透し、逆に馴染みある言葉として定着しています。よって、使い方を誤ると現代ならではのハラスメントにもなり難しい言葉といった側面があります。冗談が通じるなど親しい関係が成立していない場合は使用しないのが無難です。

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