【挙国一致(きょこくいっち)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

挙国一致(きょこくいっち)

高齢者にとっては、「挙国一致」はあまり良い印象を抱かない言葉だと思います。戦争をイメージさせて、まるで大日本帝国であり軍国主義を匂わせるからです。もちろん、平和な現代において飛躍している感もありますが、それでも日中戦争時のスローガンとして「挙国一致」が使われたのは事実ですし、現在の北朝鮮の様な惨状が当時の日本だったのです。そんな「挙国一致」について、戦争という観点からも詳しく解説をさせて頂きます。

挙国一致の意味

「挙国一致」の意味は以下の通りです。
・全国民や国全体が一つの態度を取る事。
・国民全体が一つになって、目的達成の為に団結する。
”挙国”は「国全体」「全国民」「国を挙げて」、”一致”は「二つ以上がぴったり一つになる」「合わさる」「合致」「普通の道理」となり、上記の様な意味合いとなります。しかし、これらは戦争が終結した現代ならではの意味合いであり、世界大戦前後においては「挙国一致」とは、国民を戦争に向けさせるスローガンであり、戦争を否定・批判させない抑止力でした。御国の為に兵士となって戦争に参加するのが当たり前であり、それを拒否するのは許さない空気感を蔓延させる役目があったのです。これは日本だけでなく、ドイツはさらに徹底していてイギリスやフランスも同様であり、要するに現在の先進国はほぼそうだったのです。この「挙国一致」という流れを国全体に覆うには、当然ながら政府が率先する必要があり、それが「挙国一致内閣」です。「挙国一致内閣」は戦争や恐慌時には対立政党も手を組んで巨大政党として発足する内閣で、大連立内閣や協力内閣とも呼びます。これは形上は危機を乗り越える得策に思えますが、実態は戦争に突入する手段で国の意志として堂々と表明する為なのです。だから、「挙国一致」とは危険な体制で、この様な状況を作り出してはいけないのです。よって、現在の日本では使い方が限定されているとも言え、国や国民を一つに扇動するような「挙国一致」という形で用いられません。敢えて使う場合はあるでしょうが、通常は暗黙ルールとして好ましくない表現です。しかし、外国では「挙国一致」が多々使われる事もあり、そこにはかつての戦争とは違う目的や世代による感覚ズレなども影響しているようです。文章として実際の使い方は、「挙国一致体制」「挙国一致内閣」「挙国一致して~」といった形が多いです。

挙国一致の由来・出典

「挙国一致」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、翻訳家・内田魯庵の小説集「社会百面相」に文言が記されています。また、「挙国一致内閣」とすると1932年の斎藤内閣や1934年の岡田内閣が当て嵌まります。

挙国一致の類義語・同義語

「挙国一致」の類義語には、「一致団結」「大同団結」「挙党体制」などが挙げられます。四字熟語以外なら「国民精神総動員」「総動員」などになります。

挙国一致の使い方・例文

例文1.日本が再び戦争に走り、挙国一致内閣を作らないように、国民が強く監視する必要がある。
例文2.先進国がとった挙国一致という流れは、国民を戦争に反対させない為の政策だったのだろう。
例文3.挙国一致で挑んでも、ドイツは結局のところ第二次世界大戦で連合国軍には敵わなかった。
例文4.戦争からの教訓として、挙国一致で国民を洗脳しても、いつかは破綻するという事だ。
例文5.国家総動員法が公布されると世の中は挙国一致の流れが加速して、最早一般人が戦争を止める術はなくなった。
戦争関連の文章に「挙国一致」を使った例文となります。

挙国一致の会話例

男性
挙国一致って、皆を団結させる良い言葉だと思っていたけど…。
女性
実は戦争と繋がり深い言葉だと知ったのね。
男性
うん。平成生まれだし、戦争なんて意識した事ないけど。
女性
実際は戦争って、悲惨極まりないからね。だから、いくら良い事でも全員を同じ方向に舵取りするのは良くないんだよね。色んな意見や考えを尊重する世の中にならないと。

「挙国一致」について、男女二人が否定的な会話をしています。

挙国一致の豆知識

「挙国一致」と繋がり深い言葉が先ほど類義語でも紹介した「国民精神総動員」です。「国民精神総動員」とは、1937年に近衛内閣が行った政策で、国家の為に犠牲にする愛国精神を推進するものです。大筋は割愛しますが、現在ではこの政策は良くないというのが戦争放棄した日本国や日本人の共通認識ですが、この当時のいくつかのスローガンは現在でも深く浸透しています。有名なのは「贅沢は敵」「聖戦だ己れ殺して国生かせ」「欲しがりません勝つまでは」等々は、戦争を知らない世代でも知っている人が多いです。聖戦や欲しがりません云々も、前後の文章を変えて目にする機会が多いです。

挙国一致の難易度

「挙国一致」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”致”は4級で中学レベル、”挙”は7級で小学校中学年レベル、”国”は9級、”一”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

挙国一致のまとめ

「挙国一致」は、国や国民が一つにまとまり団結をする事です。ですから、一見すると東京五輪開催など大きな目標の為にまとまる良い事に感じますが、その実情は戦争において国民を団結させる為に使う言葉で、現在は好ましくないという認識が一般的です。国全体で戦争に向かうには、反対や否定意見を封じ込めて、国民を煽り戦争を肯定させる必要があります。よって、「挙国一致」は戦争に突き進みたい内閣主導による体のいいスローガンなのです。

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