【夷険一節(いけんいっせつ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

夷険一節(いけんいっせつ)

「夷険一節」とは「どんな状況下でも己の態度や姿勢を貫き通す事」です。状況が良い時なら自分の信念などを貫くのは容易ですが、どうも芳しくない時は殆どの人は迷ってしまいますよね。自分が間違っているのでは、態度を変えるべきではと自問自答を繰り返しますが、そんな逆境の時でもブレずに終始一貫しているのが「夷険一節」です。

夷険一節の意味

「夷険一節」の意味は以下の通りです。
 ・物事が順調な時も逆境の時も節操を変えず、態度や姿勢が一貫している事。
 ・己の信念を守り続ける事。
”夷険”は「平らな場所と険しい場所」「順境と逆境」「太平と乱世」、”一節”は「節操」「節義を守る」「信じる主義や意見を守り変えない事」で、どんな状況でも主義や意見を変えないのが「夷険一節」です。人とは当初は強い信念があっても、状況が変わるとどうしても最初の頃に持ち合わせていたものを見失ってしまうのです。良くなれば傲慢になり、逆に悪くなれば悲観や失望をしてしまうので、どんな時でも節操を変えないのは大変困難です。だからこそ、己を強く持ち信念を守り続けるべきとするのが「夷険一節」です。

夷険一節の由来・出典

「夷険一節」の由来は中国北宋時代の政治家・欧陽脩(おうようしゅう)の書物「相州昼錦堂記」(しょうしゅうちゅうきんどうき)となります。

夷険一節の類義語・同義語

「夷険一節」の類義語には、「意志堅固」「順逆一視」「初志貫徹」などが挙げられます。

夷険一節の使い方・例文

例文1.新市長が就任あいさつで職員に夷険一節を貫くべきと口にしたが、未熟な私は何を言っているのか理解出来なかった。
例文2.人が成功をするには誰が何と反対しようと夷険一節を貫き通すか、或いは人並み外れた幸運を手にするしかない。
例文3.若い時は軟弱であり優柔不断でなよなよしてばかりだったが、酒を止めて近所を走る様になったら少しだけ自信が出たようでこのまま夷険一節を続けていけたら俺の中の何かが変わると思っている。
例文4.学者や有識者がどんなに夷険一節な姿を見せても政府に要請されればコロッと態度を変えるのでは、その称号を剥奪するべきだ。
例文5.プーチンの姿は良く言えば昔から夷険一節しているのだが、西側諸国は騙されたというよりも常識があると都合良く解釈していたのがそもそもの間違いでウクライナ侵攻を許した要因だ。
「夷険一節」を使った例文となります。

夷険一節の会話例

男性
チームリーダーへの昇進おめでとう。
女性
ありがとうございます。でも、私にそんな大役が務まりますか?
男性
そんな事はないって。○○さん以外に誰が出来るの。大丈夫だって。
女性
パートで入ってから早5年、まさか出世するとは夢にも思いませんでした。私って夷険一節なところがあるので、そこが良かったのかも知れませんね。でも、リーダーになっても時給は据え置きなんですよね…。

職場で働くパートの女性が昇進したという内容です。

夷険一節の豆知識

「夷険一節」から”一貫”に関する四字熟語は、文章などの構成が終始一貫している「血脈貫通」、物事に一貫性がなくめちゃくちゃな「支離滅裂」、言動が前と後で一貫性を欠く「前後矛盾」、言動が一貫せず欠点が現れる「破綻百出」などがあります。

夷険一節の難易度

「夷険一節」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”夷”は準1級で大学一般レベル、”険”は6級で小学校高学年レベル、”節”は7級で小学校中学年レベル、”一”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

夷険一節のまとめ

「夷険一節」は良い時でも悪い時でも節操を変えず態度や姿勢を最初から貫き通す事です。強い意志があるので出来る事ですが、何かの物事を成し遂げるにはそれぐらいの覚悟や決意が必要という事なのでしょう。

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