【立身出世(りっしんしゅっせ)】の意味と例文と使い方

立身出世(りっしんしゅっせ)

「立身出世」とは「高い地位や名声を得て、社会や世の中から認められる事」です。要するに、大人としての成功者で誰もが羨む人を「立身出世」と表現します。良くあるのは、成功の過程では自らを「立身出世の最中」「立身出世を目指す」と表現し、成功が実現したら自ら評するのは野暮なので周囲が「立身出世を果たした」と称賛してくれます。だから余計に鼻高々となりますが、その欲求は際限がなくもっとも認められたいと思い、それがモチベーションにもなるようです。では、凡人にはまったく縁がない「立身出世」についての解説となります。

立身出世の意味

「立身出世」の意味は以下の通りです。
・社会的に高い地位について名声を得る。出世する。
・広く世の中に認められる事。
・江戸時代頃から使われ始めた伝統的呼称で、社会的な承認欲求や上昇志向の観念。
”立身”は「世の中に認められて一人前になる」「社会的な高い地位に就く」、”出世”は「社会的な高い地位を得る」「この世に生まれる」「出家」で、端的に言うなら上記の社会的に認められる事であり、そんな欲求です。元々は江戸時代の身分秩序社会から生まれたもので、本人が努力をしたり才能が有る事で周囲よりも優れていると、より多くの人に知ってもらいたくなり、さらに正しく評価されて社会的に高い地位に就きたいと願うものです。そんな上昇志向からなる高い地位や名声を得るのが「立身出世」で、実際に成功をすると「立身出世を果たした」「立身出世が叶った」といった形になります。要するに、努力が実り成功した一部の人に対する言葉で、現代なら政治家・官僚・医者・大企業のサラリーマン等々の社会的なエリートが特権階級を誇示する際に用います。従って、真逆の立場からすると、あまり面白くなく不快な言葉であるのも事実です。また、代々家柄が良い家庭などは既に名声を手にしているので、逆に自ら「立身出世」と使う事は少なく、どちらかというと成りあがりの結果や成功をしたい気概がある者が若さゆえに使う言葉という側面も少なからずあります。また、単純に世の中に名が轟く事でも使われるので、有名人やタレント、或いはユーチューバー等で成功を収めても「立身出世」と特に現在では扱われるようです。

立身出世の由来・出典

「立身出世」は江戸時代を発祥とする言葉で、儒教用語の”立身”と、仏教用語の”出世”を合わせて誕生しました。広く定着したのは明治維新以降とされ、その後は現在でも名声や社会欲求の観念となっています。

立身出世の類義語・同義語

「立身出世」の類義語には、「立身揚名」「栄利聞達」などが挙げられます。四字熟語以外なら「故郷に錦を飾る」「風雲の志」「功成り名遂げる」などです。

立身出世の使い方・例文

例文1.農村出身ながら立身出世して総理大臣になりながらも、今や初心をすっかり忘れた悪の権化の様な振る舞いをするのだから、人の本質とは現在の環境次第でコロコロ変わるとても脆いものだ。
例文2.動画サイトの子供騙し手口で大金を稼ぎ立身出世に成功したが、分別ある大人からは相変わらず評価が低く同年代からも下に扱われるのは当人のプライドがズタズタなのか、過激な煽りをすればするほど底が浅いと知れ渡る。
例文3.立身出世とは誰よりも高い木を登る様なもので、確かにその努力や才能は認めるが、滑って落ちるのもあっという間と言う事だ。
例文4.子供の頃は優秀で立身出世となる事を目標に頑張ってきたが、途中で挫折してからは引きこもりこそライフワークだと感じる様になった。
例文5.有名になってその名を轟かし立身出世を果たせれば、死ぬ時に後悔はしないものなのか誰にも分らない。
名声を得る事や得た結果を批判する様な例文となります。

立身出世の会話例

男性
また、料理をSNSにアップしているの?
女性
もうライフワーク。だから、食べるのはちょっと待ってね。
男性
冷めちゃうから、写真もほどほどにしなよ。
女性
うーん。分かっているけど…。でも、料理上手で有名になったら、私の価値が上昇して立身出世を果たした事になるでしょう。だから、応援してよ。

手作り料理をSNSにアップする事が習慣な妻と、それに不満な夫の会話です。妻は料理上手な有名人になりたい願望が強く、そこが夫には理解できないという感じです。

立身出世の豆知識

「立身出世」とは成功願望を達成した事でもあり、社会一般的には人生の勝者となります。しかし、成功者の中でもグループやランクがあるので、一度成功を収めるとさらに上の階段を上りたくなるのです。要は、自分よりも高い地位で評価されている人物が許せないや負けていないとなり、その承認欲求は限度や限界がなくなります。例えば、東大に入るのが目標だったが、それを達成すると東大でもトップ成績でないと気が済まない、さらに卒業後は大きな事を成し遂げないといけないと、際限がなくなっていきます。このレールから外れると「立身出世」の成功や名声から脱線したとして、自分が許せないのです。よって、結局は成功者も最後まで精神的な苦労から逃れられないのです。

立身出世の難易度

「立身出世」は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、”身”と”世”は8級で小学校中学年レベル、”立”と”出”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

立身出世のまとめ

「立身出世」は社会的なステータスを得て世間から認められる事です。それは誰もが羨む地位や名誉を得る事で、例えば政治家や官僚や実業家などはさらにお金も得ているので「立身出世を叶えた」「立身出世を成し遂げた」となります。

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