【大道不器(たいどうふき)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

大道不器(たいどうふき)

「大道不器」とは「聖人が行う道は普遍的で大きな影響を与える事」です。聖人は特別な才能などがあるので、成し遂げた事が大きな影響を及ぼすのは容易に想像できると思います。仏教だけを取っても、数千年前に誕生した宗教がこうして現世に与える影響力が尋常ではないので、聖人の功績とは本当にとんでもないと改めて思うところでしょう。そんな「大道不器」について解説をさせて頂きます。

大道不器の意味

「大道不器」の意味は以下の通りです。
・聖人が行う偉大な道は普遍的で大きな働きを持つ。
・聖人が踏み行う道は、用途が限られる器とは違い広くあまねく利用される。
・偉大な人が行った事は後世や人々に大きな影響を与える事。
・「大道は器ならず」(たいどうはきならず)と訓読する
”大道”は「聖人が行う偉大な道」、”不器”は「物を入れるしか使い道がない」「才能に恵まれていない」で、偉大な人物が成し遂げた事は人々に大きな影響を与えるという意味です。少々分かり難い言葉ですが、”大道”の”聖人”は偉大な人や学識や信仰がある人で、端的に言うと偉人の事です。次に、”踏み行う”は成し遂げたで”不器”は用途が限られる器となり、そのまま訳すと、「偉大な人が成し遂げた事は使い方が限られている器とは違い、広く大きく利用される」となります。これをさらに拡大解釈すると「偉大な人の功績は後世に大きな影響を与える」として、現在において過去の素晴らしい物事を称賛する際に用いたりします。

大道不器の由来・出典

「大道不器」の由来は、古代中国の儒教経典「経書」の一つ「礼記」の学記となります。

大道不器の類義語・同義語

「大道不器」の類義語には、「大徳不官」「大信不約」などが挙げられます。

大道不器の使い方・例文

例文1.時々神社を訪れると、どんなに文明が発達しても偉人の功績が大道不器となって、現代人に影響を与えていると考えさせられる。
例文2.クラスメイトは将来大物になりそうなので、大道不器、数十年後には彼に平伏した人々は喜んで影響を語るだろう。
例文3.世界一のサッカー選手であるメッシのドリブルやシュートといったスキルは、大道不器として今の子供達の基本バイブルとなるのは当然だ。
例文4.現役の政治家では信用に値する人は一人もいないので、彼らに大道不器となるような事を一切求めない。
例文5.子供の寝顔を見ていたら、少なくても小さい内は自分の姿から大道不器となるので、これは情けない姿を見せられないと気合を入れ直した。
大きな影響を与えるという事で「大道不器」を使った例文です。

大道不器の会話例

男性
何を読んでいるの?
女性
スティーブ・ジョブズの本。彼みたいな凄い人って、最近では他にいないでしょう。だから読んでみようと思って。
男性
確かに偉大な人だよ。世界中にアップル信者を増やしたからね。彼の登場によってこれまでパソコンはオタクって言われていたのに、急にオシャレなものに変わったからね。
女性
そうでしょう。ITやパソコンなどで大道不器って評価できる唯一の人。

アップルの創業者である偉大なスティーブ・ジョブズについて男女が会話をしています。

大道不器の豆知識

「大道不器」から”聖人”に関する四字熟語は、心にわだかまりがなく少しも偏りがない事で君子が学ぶべき聖人の心という意味の「廓然大公」、仏教用語で大悟の境地には聖人と凡夫の区別はない「廓然無聖」、聖人や賢人が世にでる兆候の「景星鳳凰」、草木が成長するように君子や聖者の恵みが万民に与えられる事や聖人の教えが人民に広がる事の「時雨之化」などがあります。

大道不器の難易度

「大道不器」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”不”と”器”は7級で小学校中学年レベル、”道”は9級、”大”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

大道不器のまとめ

「大道不器」は聖人の踏み行う道は用途が限られる器と違って広く利用されるという意味です。要するに、偉人が行った行為は後世に大きな影響を与えると解釈でき、それぐらい偉人の才能や行う事は特別なのです。

大道不器の老人。
最新情報をチェックしよう!