権謀術策(けんぼうじゅっさく)
｢権謀術策｣とは｢相手を騙し貶める策や謀｣です。集団や組織に属しているなら、どうしても人間関係や出世は付きものです。これを拒否すると、一生冷や飯を食わされると言っても過言ではなく、その為に人とは表面上は良く繕っても、その腹の中では相手を出し抜いてやろうと考えているのです。それが｢権謀術策｣で、では一体どのような意味などがあるのか調べてみました。
権謀術策の意味
｢権謀術策｣の意味は以下の通りです。
・他人を騙し貶める策略。相手を欺く謀。
・会話テクニックから賄賂に恐喝など、様々な方法で相手を欺く策略全般。
・｢権謀術数｣も同義。
”権謀”は｢臨機応変の謀｣｢その場に応じた策略｣、”術策”は｢謀｣｢計略｣｢謀計｣で、他人を貶める為の全般行為が｢権謀術策｣です。まるでスパイ活動のようにも思えますが、当たらずとも雖も遠からずで、実際に賄賂や恐喝、さらには暗殺めいた手段も込めた言葉となっています。しかし、一般人に限れば実際のところは会社組織等における出世レースでの策略や謀の事で、要するに巨大な組織内での魑魅魍魎な人間関係ならではの処世術といったところです。例えば、仕事能力は今一つでも上司に媚びるのが上手いと、受けが良くなり最終的には出世が早くなるものです。同僚は面白くないでしょうが、これも｢権謀術策｣に優れている結果なのです。
権謀術策の由来・出典
｢権謀術策｣の由来は残念ながら不明です。しかし、同義扱いの｢権謀術数｣の由来は中国南宋時代の儒学者･朱熹の著書｢大学章句序｣となるので、｢権謀術策｣も同様であると推測できます。
権謀術策の類義語・同義語
｢権謀術策｣の類義語には、｢奸智術策｣｢手練手管｣などが挙げられます。
権謀術策の使い方・例文
例文1.上司に出世のコツをお願いしたら、権謀術策で同期を出し抜くしかないと適切な助言をされた。
例文2.無邪気で幼い我が子もいつか大人になり、権謀術策に明け暮れ心が疲弊するのかと思うと、やるせない感情がふつふつと込み上げてきた。
例文3.成功している芸能人は才能が優れているように見せかける権謀術策に長けているだけで、それは所属事務所やテレビのメディア操作による賜物だが、最近のテレビ嫌いを公言する若者もユーチューバーの印象操作に騙されるのだから、どんなに時代が変わってもバカにつける薬はない。
例文4.疑り深く誰も信じないのに、唯一心を許す愛犬の尻尾振り権謀術策にはデレデレになっていたが、そんなある日、喚起しようと窓を開けていたら脱走しそのまま二度と戻ってこなかった。
例文5.政治家に検察に警察も全て上の方は仲良し小好しで繋がり、そこで正義感片手に権謀術策を企てても失敗で終わるのが日本社会だ。
裏切りや策略に騙しなどで｢権謀術策｣を使った例文です。
権謀術策の会話例
同僚を出し抜く事が出来ず現場仕事な夫とその妻の会話内容です。
権謀術策の豆知識
｢権謀術策｣から”策略”に関する四字熟語は、人の意表をつく奇抜な謀や策略の｢奇策妙計｣、互いに策略を尽くして戦う｢虚虚実実｣、状況や情勢に応じて謀を自在にめぐらす｢機略縦横｣、人知の及ばない優れた策略｢神算鬼謀｣などがあります。
権謀術策の難易度
｢権謀術策｣は漢字検定3級から6級相当の文字組み合わせで、”謀”は3級で中学卒業レベル、”権”と”策”は5級、”術”は6級でそれぞれ小学校高学年レベルの四字熟語となります。
権謀術策のまとめ
｢権謀術策｣は他人を貶めて自らがより良い状況になる為の策略で、一般人にとっては人間関係で優位に立つ会話テクから所属する会社や団体組織の処世術となります。人間社会とは結局は誰かが上に立ち誰かは下で苦汁を味わうのです。出世して上に行くには他人を貶めるのは時として必要で、そんな狡賢い策を｢権謀術策｣と言います。