【狷介不羈(けんかいふき)】の意味と例文と使い方

狷介不羈(けんかいふき)

「狷介不羈」とは「意志が固く束縛を嫌い、何よりも自由を謳歌する事」です。個人的には会社員や公務員とは正反対の芸術家や作家タイプが「狷介不羈」と思ってしまいます。世間の常識などは気にせず、自分の道を突き進み、それ以外は興味がありません。こんな人達や生活に憧れますが、なかなか実行するのは難しいですよね。それでは「狷介不羈」についての解説となります。

狷介不羈の意味

「狷介不羈」の意味は以下の通りです。
・自分の意志を固く守り何者にも束縛されず自由。
・強い意志で誰にも邪魔をされないで自由きままである事。
”狷介”は「意志を固く守る」「意志を守り妥協しない」「頑固で信じる事を固く守る」「片意地」、”不羈”は「決して縛られない」「物事に縛られないで自由気まま」「才能があって枠からはみ出す」で、上記のような意志が強くて束縛を嫌い自由に過ごすのが「狷介不羈」です。才能豊かな人に多い傾向で、とにかく束縛を嫌うのです。団体行動が苦手であったり、周囲から浮いてしまう事もありますが、それでも才能に裏付けされた強い意志があるので平気なのでしょう。よって、はぐれ者・型破り・荒くれ・アウトローなども近いですがこれらは犯罪的な意味合いもあるのに対し、「狷介不羈」から犯罪臭はあまり感じられません。自由を好み束縛を嫌うとして「狷介不羈」を使うのが最も適しているようです。

狷介不羈の由来・出典

「狷介不羈」の由来は残念ながら不明です。文献としては、”狷介”は明治時代の翻訳家で小説家・内田魯庵の小説集「社会百面相」(1902年)、”不羈”は江戸時代の医者・森島中良の外国地誌「万国新話」などに文言が記されています。

狷介不羈の類義語・同義語

「狷介不羈」の類義語には、「狷介固陋」「不羈奔放」「狷介孤高」などが挙げられます。

狷介不羈の使い方・例文

例文1.成功者の多くはワンマン経営で狷介不羈なところがあり、それが長所でもあり短所でもある。
例文2.かつてのブラジル代表のエース・ロマーリオは圧倒的な得点力とは裏腹に狷介不羈な態度も問題視された。
例文3.日本人は周囲の目を気にする村社会なので、どうしても狷介不羈な人はあまり出てこないで埋もれてしまう。
例文4.不甲斐ないサラリーマンだからコロナでも満員電車に揺られその度に、都知事は幻想めいた政策ばかりで現実をまったく知らず、狷介不羈で好き勝手できる人々が羨ましく感じる。
例文5.二世三世議員は家も裕福で苦労知らずだから、あんなに間抜けな所業をしても何とも思わずに厚かましく続ける事ができ、今時珍しい狷介不羈な人なんだろう。
様々な自由な人を批判的に「狷介不羈」を使った例文となります。

狷介不羈の会話例

男性
仕事の愚痴を聞いてもらっていい?
女性
どうしたの一体?
男性
最近の若いのはやる気がなくて参るよ。仕事も適当だし、こっちが文句を言うと逆ギレしたり、かと思ったら突然早退したり欠勤したり、本当に自由すぎるよ。
女性
そういうのって狷介不羈って言うんだよね。でも思いがけない才能が有る事もあるし、もう少しだけ辛抱してあげれば。その子はまだ若いから常識が分からないのよ。

妻に仕事の愚痴を吐露する夫との会話やり取りです。

狷介不羈の豆知識

「狷介不羈」から”束縛”に関する四字熟語は、他人に束縛されて自由がなく苦しむ「轅下之駒」、心が広く小事に拘らず、自由で束縛されないで行動する「闊達自在」、行動の自由を束縛する「手枷足枷」、自由を束縛され思い通りに生きられない喩え「籠鳥檻猿」などがあります。

狷介不羈の難易度

「狷介不羈」は漢字検定1級から7級相当の文字組み合わせで、”狷”と”羈”は1級で大学一般レベル、”介”は4級で中学レベル、”不”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

狷介不羈のまとめ

「狷介不羈」は自分の意志がとても強く何事にも束縛されない事です。ある種の孤高であったり才能豊かで、だからこそ束縛を嫌うとも解釈をできます。一方で社会生活を送るには不適合とも言え、そこからネガティブな表現でも用いられます。要するに一長一短なのですが、多様性を尊重する現代ならますます認めるべき言葉が「狷介不羈」ではないでしょうか。

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