【籠鳥檻猿(ろうちょうかんえん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

籠鳥檻猿(ろうちょうかんえん)

「籠鳥檻猿」とは「自由がなく束縛された生活などの喩え」です。実際に牢獄などで拘束されている訳ではなく、あくまでも精神や気持ち的に自由や余裕がない際に表現として用いられます。要はどんなに裕福であったりと恵まれた環境でも、人は動物と違って束縛されるのを極端に嫌うのです。精神的な自由とそんな環境下で生きる事こそ、本来の人間らしさなのでしょう。そんな恵まれた環境で生きられる事に感謝しつつ、「籠鳥檻猿」の解説をさせて頂きます。

籠鳥檻猿の意味

「籠鳥檻猿」の意味は以下の通りです。
・自由が束縛されて思い通りに生きられない喩え。
・籠の中の鳥と檻の中の猿から、転じて、好きな様に生きられず不自由や自由がない喩え。
・逆さにした「檻猿籠鳥」も同義。
”籠鳥”は「籠に閉じ込められた鳥」、”檻猿”は「檻の中に閉じ込められた猿」で、不自由や自由がない、或いは束縛や監視されているとなるのが「籠鳥檻猿」です。この言葉は文字通りなので、ある種簡単な部類に入る四字熟語となっています。捕らえられている猿や鳥を我々人間に当て嵌め、そこから不自由という意味で使われますが、さらに社会や学校などの閉鎖的な状況やそんな空気感、或いは仕事や勉強などで心に余裕がないや抑圧されているとしても用いられます。要するに、実際に牢屋などに閉じ込められてはいないが、社会情勢や自分の立場が明るくないと解放的には感じないので、そんな重苦しい雰囲気を「籠鳥檻猿の心境」とするのです。よって、景気低迷で消費が冷え込んだり、少子化高齢化で自殺者が多い日本の現状などは、残念ながら大勢の人にとって「籠鳥檻猿」と表現出来てしまいます。

籠鳥檻猿の由来・出典

「籠鳥檻猿」の由来は、中国唐代中期の漢詩人・白居易が詠んだ詩「山中にて元九に書を与え因りて書後に題す」です。

籠鳥檻猿の類義語・同義語

「籠鳥檻猿」の類義語には、「池魚籠鳥」「轅下之駒」などが挙げられます。

籠鳥檻猿の使い方・例文

例文1.コロナ禍では三密を避けるなど行動制限されるが、この新しい籠鳥檻猿な生活を受け入れるしかない。
例文2.無職の時はハローワーク通いと面接ばかりでおまけに貯金に余裕もなく、働いていた頃よりも自由がなく籠鳥檻猿だったと今では痛感している。
例文3.資本主義国家は一見すると自由があり人生を謳歌できる気がするが、その実態は拝金主義の極みであり、お金に縛られ自由を奪われた籠鳥檻猿そのものである。
例文4.昔は兄弟が多い大家族が長屋で暮らして、現代人からすると独り時間がないと嘆く籠鳥檻猿に映るだろうが、実は一家団欒でワイワイガヤガヤして実に楽しかったのだ。
例文5.家庭と仕事で自由など一切ないに等しいしがないサラリーマンだが、マイカー通勤の車内で聴く音楽だけが一時の喜びを与えてくれて籠鳥檻猿だとは思えない。
不自由な生活などで「籠鳥檻猿」を使った例文となります。

籠鳥檻猿の会話例

男性
頼むよー。小遣いをもう少し上げてくれよー。
女性
ダメよ。あなた先月も上げたばっかりでしょう。
男性
上げたって、たったの500円。今時、大の大人が小遣い8500円って少なすぎる。これでは自由がない籠鳥檻猿みたいなものだよ。
女性
そんな馬鹿な事を言ってないで、早く会社に行ってらっしゃい。

小遣いが少ないと嘆く夫に対し、毅然と反対をする妻という内容です。

籠鳥檻猿の豆知識

「籠鳥檻猿」から”不自由”や”拘束”に関する四字熟語は、貧しい生活で不自由に我慢する「耐乏生活」、体が麻痺して不自由になる病気症状の「半身不随」、世俗に拘束されずに自由でのんびり暮らす「閑雲野鶴」、国や人を長期間服従や拘束する事はできない「曠世不羈」、何ものにも拘束されず自由に振る舞う「不羈奔放」などがあります。

籠鳥檻猿の難易度

「籠鳥檻猿」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”檻”は1級で大学一般レベル、”籠”は2級で高校卒業レベル、”猿”は準2級で高校レベル、”鳥”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

籠鳥檻猿のまとめ

「籠鳥檻猿」は籠の中の鳥と檻の中の猿から、拘束されているや自由がなく思い通りにならないという喩えの四字熟語です。不自由さを象徴し、また代表する四字熟語と言っても過言ではなく、人生などで不自由さを感じたりする際に何かと用いられる言葉です。

サラリーマンが籠鳥檻猿だと一言では言えない。
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