【色即是空(しきそくぜくう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

色即是空(しきそくぜくう)

かつての世界は宗教が人々の生活に密接に関わっていたので、宗教から誕生した言葉というのが古今東西問わず多く存在しました。現在もその名残は残っていますが、ですから仏教大国でもある昔の中国の言葉は、当然ながら仏教と関係深いものばかりなのです。今回の「色即是空」は仏教の考えや思想であり、とても漠然としているので仏教家ではない現代人には理解が難しいのも事実です。では、解説に入らせて頂きます。

色即是空の意味

「色即是空」の意味は以下の通りです。
・万物の本質は実体がない空なので、執着するのは空無である事。
・仏教の根本教理でこの世の全ては実体がない。
・宇宙にある全ての物質などは実体がないという仏教の真理。
・般若心経を代表する最も有名な一文のひとつ。
「色即是空」は「般若心経」に記されている仏教の根本とされる考えや真理で、「この世の本質は”空”で不変のものではない」という事になります。物事や現象は実体がなく空無なので、これらに執着するのは空しいだけと説いています。では、仏教の”空”とは何かというと、これも解釈が難しいですが、「心を無にする」のが”空”となります。”無”と相反する”有”の双方を含む言葉”空”を使うのが、仏教ならではの特徴ともなります。”色”は「この世の全ての事物や現象」、”即是”は「すなわち」「つまり」「正にそれ」、”空”は「何もない」「心を無にする」となります。

色即是空の由来・出典

「色即是空」の由来は、大乗仏教の心髄ともされる経典「般若心経」となります。

色即是空の類義語・同義語

「色即是空」の類義語には、「一切皆空」「五蘊皆空」などが挙げられます。

色即是空の使い方・例文

例文1.人生は儚く短いが、色即是空を受け入れたら、長い短いなどはどうでも良く毎日を充実させる事に意義があるとして、自然体になれる。
例文2.最近は若い人でも断捨離や物を持たないミニマリストが注目されるが、これらも突き詰めると色即是空の思想が影響していると思う。
例文3.誰かと争ったり張り合うのは空しいだけで、それより空を見上げて色即是空な瞑想に耽る方が幸せだ。
例文4.仏教徒が達観しているのは、根底には色即是空などの教えを理解しているからだ。
例文5.叔父の口癖は、「人生とは香りや軽い痛みのようなもので、気が付いたら消えている」と事あるごとに言っていたが、実は色即是空を自己流に解釈したようなものだったらしい。
人生の儚さ、ミニマリストなどで「色即是空」を使った例文となります。

色即是空の会話例

男性
相談があるんだけど…。
女性
どうしたのあなた、深刻そうな顔をして?
男性
東京を出て、どこか地方で暮らさないか? 残りの人生を考えた時に、自然が多いところで人間らしく過ごしたいって、前から考えていて。
女性
そうね。確かに東京で物やコンクリートに囲まれるより、欲を捨てた色即是空な生き方も良いかもね。

中年夫婦が東京から脱出する生活について話し合っています。

色即是空の豆知識

「色即是空」は「般若心経」に記されている一文で、正しくは「色不異空、空不異色、色即是空、空即是色」までを一つとして訳される事が多いです。また、これだけ有名な「般若心経」ですが、実は誰が作った経典なのか今でも不明なのです。巷では仏教の開祖・釈迦と思われがちですが、実は釈迦ではなく他の人なのですが、それが誰なのか謎なのです。因みに漫画・ドラゴンボールのモデルともなった三蔵法師は「般若心経」を広めた一人であり、こちらも「般若心経」の作者ではありません。

色即是空の難易度

「色即是空」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”即”と”是”は4級で中学レベル、残り二文字は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

色即是空のまとめ

「色即是空」は、仏教を代表する経典「般若心経」に書かれている一文から抜粋したもので、この世の全ては実体がない、万物の本質は空という根本教理です。実際にはそれぞれの解釈の違いで、微妙に意味合いも違いますが、「心を無にする」教えと理解すれば大筋で問題はありません。

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