【空即是色(くうそくぜしき)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

空即是色(くうそくぜしき)

仏教用語やその関連の言葉は日常生活に深く根付き、例えば愛嬌や玄関なども元々はそうだったと言われています。四字熟語でも当然ながら大変多く、「一期一会」「以心伝心」などキリがないほどあります。今回の「空即是色」も仏教用語というルーツがありますが、なかなか難しい言葉なので初めて知った人も多いと思います。それでは、初心者にも分かりやすく解説をさせて頂きます。

空即是色の意味

「空即是色」の意味は以下の通りです。
・宇宙の万物の真の姿は「空(くう)」で実体がないが、この世の現象の姿こそが「空」である。
・この世の全ては実体がない「空」で、「空」であるものがこの世の全てという教え。
・仏教用語で釈迦による般若心経の説法の一説。
仏教を極めた人々、またそんな人でも解釈違いがあるので、本来の意味は難しいのが「空即是色」ですが、平たく言うなら、この世の全ては「空」となります。「空」は”無”でありますが、同時に”有”でもあり、否定と肯定の両方を供えています。「空」という大きな世界に”無”と”有”が同居していて、どちらか一方では成立しません。上記の意味合いも、「空」で実体がないと理解しがちですが、それは”無”の部分だけ解釈したもので、その後には「空」の”有”の部分に触れているので、この世の全てを「空」とします。自論とするなら、この世の物はいずれは果てるので、そういった意味では現在の姿は仮で実体がない物です。すると、万物が”有”でもいずれ”無”になり、「空」という概念に含まれると理解しています。実際に使用する際には、般若心経の説法に書かれたままの「色即是空、空即是色」とする場合が多いです。「色即是空(しきそくぜくう)」も同様に「この世の全ては実体がない」や「万物は実体のない空で執着しない」という意味になり、同様の言葉を二つを合わせて強調しています。

空即是色の由来・出典

「空即是色」の由来は、大乗仏教の経典「般若心経」となります。

空即是色の類義語・同義語

「空即是色」の類義語には、「色即是空」「一切皆空」などが挙げられます。

空即是色の使い方・例文

例文1.彼女にフラれただけで昨日までの明るい世界は終わってしまい、それでも毎日が続く事から、色即是空、空即是色の真理が何となく理解できた気がする。
例文2.二日酔いで朝焼けを見ると、色即是空、空即是色、自分は無力で存在意義がないがこの美しさは本物だと感じた。
例文3.殺風景で空即是色な世の中だが、家族や恋人同士の間にはせめてそこに愛があると信じたい。
例文4.ジェットコースターで滑り落ちる瞬間、色即是空、空即是色、この世には何もないはずが怖がる感情はあると確かに実感した。
例文5.高校入試に失敗し落ち込む弟に、「色即是空、空即是色だから合格だけが全てではない」とアドバイスしたら、一層不機嫌になり母から余計な事をするなと怒られた。
良い事も悪い事も実体がないとした感じでの「色即是空、空即是色」や「空即是色」を使った例文です。

空即是色の会話例

男性
ところで、この世界は実体がない空という事を知っていた?
女性
どうしたんですか唐突に! あ、昨日のNHKスペシャルを観て仏教に感化されたんですね?
男性
そう思うのはまだ祈りが弱いね。俺は昔から一人仏教徒で、心の中には般若心経の空即是色があって常に悟りを開いているよ。
女性
その割には課長などに注意されると、今にも泣き出しそうな顔をしていますよね。

職場の同僚男女が、仏教や「空即是色」について会話をしています。

空即是色の豆知識

「空即是色」や「色即是空」が記されている「般若心経」とは、釈迦による般若経の経典です。般若経は紀元前後に成立した大乗仏教経典群の総称で、空を説く経典であると同時に呪術的な意味合いも残っています。ですから、お坊さんなどが般若心経(お経)を唱えると、幽霊や悪霊退治になるのです。「般若心経」は僅か1巻262字でその中に大乗仏教の心髄が説かれ、現在でもキリスト教の聖書と並び最も権威ある経典となっています。

空即是色の難易度

「空即是色」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”即”と”是”は4級で中学レベル、残り二文字は9級と10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

空即是色のまとめ

「空即是色」は仏教用語で、元々は般若心経の説法の一説から取られたものです。この世の全ては「空」という仏教における究極の概念めいたもので、”無”と”有”を含めたものです。また、実際に「空即是色」を使用する際には、「色即是空、空即是色」と般若心経と同じようにするのが多くなります。

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