一刻千金(いっこくせんきん)
「一刻千金」とは「僅かな時間でも千金という大金に値する事から、時間の有難味を説く言葉」です。大人になると昔の懐かしい思い出が過っては、あの時はもっとこうすれば良かったと後悔したり、時間がどれほど大切だったのかと再認識をするものです。時間は過ぎてしまってから、初めてその大切さが分かるのです。そんな万人に共感できる「一刻千金」についての解説となります。
一刻千金の意味
「一刻千金」の意味は以下の通りです。
・僅かな時間が大金にも相当する事。
・僅かな時間が千金に値する事から、素晴らしい時間が過ぎるのは惜しいという喩え。
・時間を惜しむ事から、時間は貴重や時間を無駄に過ごすなという戒めや喩え。
・逆さにした「千金一刻」も同義。
”一刻”は「僅かな時間」「頑固で我儘」「ひと時」「現在の約30分」、”千金”は「千枚の黄金」「多額の金銭」「千両の金」で、「僅かな時間でも大金相当で貴重」という意味が「一刻千金」です。それが転じて、時間は大切、無駄な時間を過ごさない、貴重で有意義な時間が過ぎるのは惜しいとする喩えで現在は使われています。それだけ時間は掛け替えのないもので、これは何も若い時だけでなく、季節の移り変わりや旧友との再会など、様々な時間の有難味を感じる場面で使われます。よって、端的に「時間は素晴らしい」「時間は非常に価値がある」と解釈しても問題ありませんし、”千両”は現在で換算すると1億円以上とも言われる事から、「少しの時間も1億円以上の価値がある」とも理解できます。
一刻千金の由来・出典
「一刻千金」の由来は、中国北宋時代の政治家・蘇軾の詩「春夜」の「春宵一刻直千金」となります。
一刻千金の類義語・同義語
「一刻千金」の類義語は「一寸光陰」「歳月不待」、諺では「時は金なり」「一寸の光陰軽んずべからず」「少年老い易く学成り難し」となります。
一刻千金の使い方・例文
例文1.旧友との再会は思い出話が尽きず、時が過ぎるのは一刻千金だと感じてしまう。
例文2.十代最後の日曜日、一人で笑点を見ていたら大切な時間を無駄に過ごしたと気付き涙が溢れて一刻千金の大切さが身に沁みた。
例文3.一刻千金と時間の大切さを説いた教師を時々思い出してしまう。
例文4.花火大会が終わりに近付くと、会場の全員が一刻千金で名残惜しく感じるだろう。
例文5.残業や休日出勤で働くよりも、自分の時間が大切な一刻千金という考えは昔の日本企業にはまったく通用しなかった。
時間の大切さを「一刻千金」とした例文です。
一刻千金の会話例
恋人同士が些細な事から口喧嘩に発展します。
一刻千金の豆知識
「一刻千金」から”大金”に関する四字熟語は、惜しげもなく大金を使う「一擲千金」、高い地位や名声を得た人や大金持ちほど慎まないと失敗をして後悔をする「亢竜有悔」、何万両もの財産を持つ大金持ち「万両分限」、一年で千両も稼ぐ優れた役者「千両役者」などがあります。
一刻千金の難易度
「一刻千金」は漢字検定5級から10級相当の文字組み合わせで、”刻”は5級で小学校高学年レベル、残り三文字は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
一刻千金のまとめ
「一刻千金」は僅かな時間も大金に相当する事から、時間の大切さや楽しい時間は過ぎるのがあっという間という喩えや戒めの言葉です。貴重な時間を後悔しないで過ごしてという先人からの教えとも受け取れ、要するに「時間はとても大切で価値がある」という有り難い四字熟語が「一刻千金」です。