一擲千金(いってきせんきん)
多分、大勢の方は｢一攫千金｣と勘違いか混同しているのが、｢一擲千金｣ではないでしょうか？ 又は、そもそも｢一擲千金｣を知らない人も多いと思います。それぐらい｢一攫千金｣は有名ですし、意味も実に明確で簡単に覚えられます。一方、｢一擲千金｣は｢一攫千金｣に隠れてマイナーなのが難点だと個人的には感じています。それでは、今回はそんな人に知られていない”千金”な｢一擲千金｣を詳しく解説をさせて頂きます。
一擲千金の意味
｢一擲千金｣の意味は以下の通りです。
・大金を一度に使う。大金を豪快に使う。一度の賭けに大金を使う。
・気前のいい、豪快、思い切りが良い、大胆などの喩え。
現在は景気悪さや時代背景から少なくなっていますが、かつては大物映画スターなどが豪快にお金を使う気前良い人が多かったそうです。今でも一部ですが、成功しているユーチューバーやアパレル業界の某元社長などは、豪快な散財で話題を提供しています。この様な人が所謂｢一擲千金｣に該当するのです。もちろん、一般人でも周囲が驚くぐらい豪快にお金を使う場合も｢一擲千金｣に含まれるので、使った金額ではなく、その人の懐以上の出費や支払いといった感があります。そこから、気前がいい、豪快、思い切りが良い喩えとして｢一擲千金｣は使用されます。”一擲”は｢一度に全て投げ捨てる｣、”千金”は｢千枚の黄金｣｢千両(の金)｣｢多額の金銭｣となります。
一擲千金の由来・出典
｢一擲千金｣の由来は、古代中国の詩人･呉象之が作った詩｢少年行｣となります。
一擲千金の類義語・同義語
｢一擲千金｣の類義語には、｢千金一擲｣｢一擲百万｣｢豪快奔放｣などが挙げられます。
一擲千金の使い方・例文
例文1.投資で成功した兄は散財を覚え、一擲千金で容赦ないぐらいに遊びまくる日々を送っている。
例文2.普段は大人しい同僚が、パチンコに夢中なギャンブラーだと知って驚いた。周囲からは給料日前でも派手に使うので、一擲千金と呼ばれている。
例文3.旅先で飲み屋に行ったら、一擲千金で大判振る舞いなお客に驕ってもらった。
例文4.多くのサラリーマンはボーナスが入ると多少なりとも一擲千金になるが、今年はコロナ渦の影響を受けて雀の涙となる人も少なからずいそうだ。
例文5.妻や家族に喜んで貰おうと、マイホームに新車購入と一擲千金な所を見せつけた数年後に離婚する事になった。
大胆や散財を｢一擲千金｣に置き代えた例文となります。
一擲千金の会話例
職場の女性が競馬好きで、一擲千金な勝負を楽しんでいるという会話をしています。
一擲千金の豆知識
お金に関する四字熟語は大変多く、｢一擲千金｣の様な豪快な散財から、利益を得る｢一粒万倍｣｢一攫千金｣｢一挙両得｣｢一石二鳥｣、さらに損失は｢小利大損｣｢貪小失大｣｢悖入悖出｣となります。また、お金の存在そのものを考えさせられるのは｢私利私欲｣｢国利民福｣｢富貴浮雲｣です。
一擲千金の難易度
｢一擲千金｣は漢字検定1級から10級相当の文字組み合わせで、”擲”は1級で大学一般レベル、残り三文字は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
一擲千金のまとめ
｢一擲千金｣は、大金を一度に使うや豪快に使う事から、気前がいいや大胆などの喩えともなる四字熟語です。後先考えずに、一度に惜しげもなく大金を使用できるので、そこが思い切りが良いと肯定的に捉われています。この様な気前が良い人は現在では少ないタイプであり、故に周囲には魅力となって見えるのかも知れません。
