【鮮血淋漓(せんけつりんり)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

鮮血淋漓(せんけつりんり)

「鮮血淋漓」とは「怪我などで血がしたたり落ちる事」です。どこか痛々しくて生々しく感じる言葉ですが、かつての中国や日本では血が流れる事態は戦など頻繁にあったのではと想像出来ます。医療体制も現在のように整備されておらず、包帯などが常備されているとは思えません。ですから血が少しぐらい溢れても、そんなに慌てなかったのかも知れません。そんな事を思ってしまった「鮮血淋漓」についての解説となります。

鮮血淋漓の意味

「鮮血淋漓」の意味は以下の通りです。
・真紅の血がしたたり落ちる。
・生々しい血がしたたり落ちている様。
”鮮血”は「体から流れ出たばかりの血」「生々しい血」「生き血」、”淋漓”は「水や汗や血などがしたたり落ちる」「勢いの溢れている様」となり、怪我をした場所から血が生々しくしたたり落ちている事です。体の心配をするほど血が出ていて、一刻も早く医者などに見せなければと周囲が慌てるような状況に近いです。それぐらい血液が溢れていると言っても過言ではないので、通常は怪我をしたり事故などに巻き込まれた被害者の状態を表す際に用います。しかし、単に血が出ている表現として、多少の鼻血程度でも「鮮血淋漓」と使う事もあるので、どのぐらいの血の量といった明確な定義はありません。また、出血・流血・負傷といった意味にも非常に近いですが、一方で出血には安売り的な意味もありますが、「鮮血淋漓」にはありません。

鮮血淋漓の由来・出典

「鮮血淋漓」の由来は残念ながら不明です。文献としては、”鮮血”は江戸時代後期の漢文戯作「江戸繁昌記」(1832年~36年)、”淋漓”は室町時代後期の僧・景徐周麟の詩文集「翰林葫蘆集」(1518年頃)などに文言が記されています。

鮮血淋漓の類義語・同義語

「鮮血淋漓」の類義語には、「流血淋漓」「流汗淋漓」などが挙げられます。

鮮血淋漓の使い方・例文

例文1.包丁を持っている男の隣にはうずくまっている男がいて、彼は鮮血淋漓となって息苦しく今にも絶命しそうという夢を見た。
例文2.鮮血淋漓な経験は長い人生で一度もないので、逆にほんのかすり傷でも大騒ぎをしてしまう。
例文3.最近のテレビドラマはコンプライアンスが厳しいので、鮮血淋漓なシーンなどは当然ご法度である。
例文4.家に帰ったら妻が玄関前で倒れていて、その後ろでは娘が延々と泣き叫んでいる。辺りは鮮血淋漓でどうしたらよいかとパニックになっていたら、スマホ片手に息子が出てきて全部ドッキリだった。
例文5.高校までは警察官になるのが夢だったが、鮮血淋漓な殺害現場は絶対に無理だと諦めて、今では小説家を目指している。
血液が溢れる様々な事について「鮮血淋漓」とした例文です。

鮮血淋漓の会話例

男性
また、蚊が入ってきたよね。いるよ一匹。
女性
本当に嫌になる。油断も隙もない。
男性
人間の血ってそんなに美味しいのかね? どうせなら、他の動物の血を吸えばいいのに。
女性
蚊にとって人間はご馳走なんでしょう。もし、倒れて鮮血淋漓となっている人がいたら、警察よりも早く蚊が何十匹も集まって生き血を吸っているのよ。恐ろしいでしょう。

人間の血が大好物な蚊について、男女が会話をしています。

鮮血淋漓の豆知識

「鮮血淋漓」から”血”に関する四字熟語は、血の繋がりある者とその従者や家来の「一族郎党」、家族と血縁者や一族を意味する「一家眷族」、正統で大元の血筋や家の人となる「本家本元」、血気にはやって向こう見ずな事をする「暴虎馮河」などがあります。

鮮血淋漓の難易度

「鮮血淋漓」は漢字検定1級から8級相当の文字組み合わせで、”漓”は1級、”淋”は準1級で大学一般レベル、”鮮”は4級で中学レベル、”血”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

鮮血淋漓のまとめ

「鮮血淋漓」は生々しい血がしたたり落ちるという意味で、まるで事件や犯罪に巻き込まれた被害者が酷い出血をしている様です。もちろん他にもスポーツなどで怪我をしたり、或いは病院や日常生活などでも血が出ている時に使えます。血が出ているという条件があるので、実際にはかなり限定的な使われ方が多くなります。

赤いソースで鮮血淋漓を表している。
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