【雲煙縹渺(うんえんひょうびょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

雲煙縹渺(うんえんひょうびょう)

「雲煙縹渺」とは「雲や霞が遥か彼方でなびいている様子」です。春になってくると夜と早朝、或いは昼間と夕方の気温差などが影響をして景色が霞やすくなります。ですから一年でも「雲煙縹渺」が見られる限られた時期なのです。それでは解説に入らせて頂きます。

雲煙縹渺の意味

「雲煙縹渺」の意味は以下の通りです。
 ・雲や霞が遥か遠く棚引く様子。
 ・早朝や日没時に雲が美し色どり遠くまで薄く長く伸びている様子。
 ・「雲烟縹渺」とも書き同義。
”雲煙”は「”煙”は”霞”の事から雲と霞」、”縹渺”は「遠い場所で微かに見える」で、雲や霞が遥か遠くに棚引く様子が「雲煙縹渺」です。これは空の様子を表現した四字熟語で春の時期に上空の雲や霞が横に長くかかる現象を指し、大気中の水滴が増えると雲や霞が棚引くと視界が悪くなるので遠くが見え辛くなります。さらに深掘りすると、春以外では基本的に見られない現象なので、その珍しさから昔の詩人などが景色を想像させる目的で詩にして詠んだようです。何よりも、日の出や日没に加えて4月頃に大気中の水分量など限られた条件下のみ出現するので、雲や霞の棚引く様子はとても貴重であり趣が感じられます。

雲煙縹渺の由来・出典

「雲煙縹渺」の由来は残念ながら不明です。文献としては、”雲煙”は古代中国の詩人・杜甫(とほ)の書物「飲中八仙歌詩」、”縹渺”は小説家・幸田露伴の著書「運命」(1919年)などに文言が記されています。

雲煙縹渺の類義語・同義語

「雲煙縹渺」の類義語には、「雲烟万里」「雲煙万里」などが挙げられます。

雲煙縹渺の使い方・例文

例文1.いつの日かまた雲煙縹渺を眺めてみたい。
例文2.雲煙縹渺な空を見あげた瞬間、これまでの警察のガサ入れに怯えていた悩みが嘘のように晴れて、再び闇カジノでディーラーとして働く決意が固まった。
例文3.早朝ドライブをしていた最中、運良く雲煙縹渺を発見して歓喜を上げたらコンビニ店内に突っ込む交通事故を起こしてしまった。
例文4.寝る前に睡眠薬を飲むとリラックスして、まるで雲煙縹渺の中を泳いでいるような感覚に陥りそのまま意識が遠のいていく。
例文5.ハイスペックのスマホを分割購入し、雲煙縹渺な景色を最高画像で撮影しようと意気込んだが、結局は掲示板に悪口を書いたりラーメン屋検索ぐらいしか使い道がなく、本当に宝の持ち腐れだ。
「雲煙縹渺」を使った例文となります。

雲煙縹渺の会話例

男性
冬が終わり、段々と暖かくなってきたね。
女性
今頃の季節が一年で一番好き。過ごしやすいから。
男性
確かに春が一番だね。それに雲煙縹渺も見れるかも知れないし。
女性
そんな幻想的な景色が好きなんだ。ちょっと意外。

お互いに春の季節が好きとして、気が合う男女の会話です。

雲煙縹渺の豆知識

「雲煙縹渺」から”雲”に関する四字熟語は、悪い状態が続き前途不安な状態や黒い雲がたれ込み晴れそうにない様子「暗雲低迷」、旅先の青空に浮かぶ白い雲から両親を思い起こす喩え「白雲孤飛」、穏やかなそよ風と吉兆を示すめでたい雲の「和風慶雲」などがあります。

雲煙縹渺の難易度

「雲煙縹渺」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”縹”と”渺”は1級で大学一般レベル、”煙”は4級で中学レベル、”雲”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

雲煙縹渺のまとめ

「雲煙縹渺」は春の空で見られる自然現象で、雲や霞がまるで遥か彼方までなびいている様子です。まるで雲が煙のようになびく景色から”雲煙”となり、その珍しさから昔の人々は幻想的だと心が奪われ感動をしていたようです。

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