【阿頼耶識(あらやしき)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

阿頼耶識(あらやしき)

「阿頼耶識」とは「仏教における意識の中でも万有の根元となる特別な意識であり、全ての拠り所となる存在」です。仏教の基本は「空」という教えですが、それを踏まえて次に位置付けすると言っても過言ではない識別や認識する意識という存在となります。意識も結局は精神世界ですが、意識をするか否かによって物事が変わってくるのも事実ですよね。そんな事を考えてしまう「阿頼耶識」についての解説となります。

阿頼耶識の意味

「阿頼耶識」の意味は以下の通りです。
 ・古代インド語「サンスクリット語」のアーラヤ・ビジニャーナの音写で、大乗仏教の流れから誕生した独自概念「唯識説」における8番目の「識」の事。
 ・仏教用語で知覚・認識・推論・自己意識などの根底にある特別な「識」(意識)で、全ての意識の拠り所となる中心や根本となるもの。
 ・「阿梨耶識」や「阿黎耶識」とも書き、「アーラヤ識」「根本識」なども同義。
「阿頼耶識」は仏教用語で、元々は古代インドの文語「サンスクリット語」(日本では梵語)の「アーラヤ・ビジニャーナ」という言葉を音写したものです。”アーラヤ”は「住所」、”ビジニャーナ”は「認識」「本質を理解する心」で、大乗仏教並びに仏教における根本的認識となる「六認識」に「アーラヤ識」(阿頼耶識)と「末那識」(まなしき)を合わせて「八識」となります。「六認識」は眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識でこれらと「末那識」を人は通常意識しているので、「阿頼耶識」は無意識や意識されない「識」であり、他の「識」の最深層に位置しています。ですから8番目の「識」や「第八識」とも言われ、全ての意識の中心や拠り所となる存在でもあります。具体的には眼識は視覚、耳識は聴覚といった風になり、「阿頼耶識」は経験や善行や悪行を超えて「蔵」のように蓄積したものを「六認識」や「末那識」に働きかける事から「万物の現象を発生させる”識”」となります。簡単に要約すれば、様々な意識の中心となる最も大事な意識で根源となる心が「阿頼耶識」です。

阿頼耶識の由来・出典

「阿頼耶識」の由来は古代インド語「サンスクリット語」の言葉「アーラヤ・ビジニャーナ」となります。文献としては平安時代の仏教書「即身成仏義」などに文言が記されています。

阿頼耶識の類義語・同義語

「阿頼耶識」の類義語には、「蔵識」「真識」「無没識」などが挙げられます。

阿頼耶識の使い方・例文

例文1.京都を訪れて、侘び寂びが感じられる素晴らしい雰囲気のお茶屋で休憩をしていたら急に阿頼耶識な気持ちに深く入り込んだ。
例文2.阿頼耶識を意識するようになって、勉強の集中度が上がった気がする。
例文3.今日も営業成果ゼロで帰社したら、上司から「気合を入れろ。阿頼耶識を呼び覚ませ」と大声で罵倒されたので、取りあえず形だけは平謝りをしてやった。
例文4.悟りを開けば阿頼耶識の世界に入れると聞き、少し仏教に興味が出てきた。
例文5.胡散臭いカルト宗教なら金だけ積めば阿頼耶識を会得できた事にしてくれそうだ。
「阿頼耶識」を使った例文となります。

阿頼耶識の会話例

男性
最近はどうもおかしいみたいで、夜も寝れないし心がざわつくんだよね。
女性
それ私も。コロナが収束してきたらサル痘に地震でしょう。何でこんなに問題事ばかりなのかって、だんだん怖くなって。
男性
多分、俺達って昭和世代よりも心の中の阿頼耶識は敏感だと思うんだよ。どこか未来に対して冷めているというか不安だらけでしょう。
女性
そうね。子供の頃からネットがあったから、他人の声や意見に気を遣うものね。場を乱さないように空気を察して。それが無意識に疲れてしまっているのかな。

社会に対して不安や心配事が多い若者世代の会話となります。

阿頼耶識の豆知識

「阿頼耶識」から”意識”に関する四字熟語は、無意識の心理状態「深層心理」、特定の意識を何度も言い聞かせて実力以上の力を発揮する「自己暗示」、本人も気付かない意識である「潜在意識」などがあります。

阿頼耶識の難易度

「阿頼耶識」は漢字検定準1級から6級相当の文字組み合わせで、”阿”と”耶”は準1級で大学一般レベル、”頼”は4級で中学生レベル、”識”は6級で小学校高学年レベルの四字熟語となります。

阿頼耶識のまとめ

「阿頼耶識」は仏教における意識における概念で、眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識・末那識を含めた「唯識説」の一つの「識」になります。しかしその中でも全意識の根底となる特別な無意識となり、宇宙万有の根元として万有発生の種子にあたります。

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