【阿附迎合(あふげいごう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

阿附迎合(あふげいごう)

阿附迎合」とは「相手に気に入られようと必死で機嫌を取る姿で、媚び諂い阿る事」です。洋画を観ていて日本人サラリーマンが出てくると、もう笑ってしまうぐらいに権力者や上司に媚びる設定になっています。もちろん作品なので特徴付ける脚色を加えているのは分かりますが、外人にはそのような印象を持たれているのでしょう。

阿附迎合の意味

阿附迎合」の意味は以下の通りです。
 ・相手の御機嫌を取り気に入られようと諂い従う事。
 ・権力者や立場が上の者に気に入られようと機嫌を取ったり諂うなどの行動を取る事。
 ・「阿付迎合」とも書き同義。
”阿附”は「諂い従う」、”迎合”は「自分の考えを曲げて他人や世の中に気に入られようとする」で、権力者などの機嫌を取り媚び諂うのが「阿附迎合」です。現代風に言うなら太鼓持ち・イエスマン・提灯持ちといったところで、それぐらい気に入られるようと何でもするのです。上の者が「白い烏」と言えば「あっちにも白い烏が居ます」という感じで、それぐらい理不尽な事にも同調をして従う健気さがあります。一方でそれぐらいの権力者なり大事なお得意様だからやる訳で、そのような力関係が成り立たない相手には絶対に諂いません。こちらもメリットを享受する策として「阿附迎合」であり、またそんな態度の人を貶す際にも使ったりします。使い方としては「阿附迎合の態度」「阿附迎合の振る舞い」「阿附迎合の姿勢」といった形になります。

阿附迎合の由来・出典

阿附迎合」の由来は残念ながら不明です。文献としては”阿附”は中国後漢時代の「漢書」の「李膺伝」、”迎合”は明治時代の小説家・内田魯庵の著書「緑蔭茗話」などに文言が記されています。

阿附迎合の類義語・同義語

阿附迎合」の類義語には、「阿諛曲従」「阿諛苟合」「阿諛追従」「阿諛追随」「阿諛便佞」「阿諛逢迎」などが挙げられます。

阿附迎合の使い方・例文

例文1.工場を経営していた父は取引先の若い者にまで阿附迎合する姿に幼い頃は辟易していたが、大人になった自分はもっと阿附迎合に磨きをかけるのだから血は争えない。
例文2.歴代総理は自分よりも優秀な官僚を阿附迎合させてさぞ気持ちが良かった事だろう。
例文3.高校時代に全校で最も美人と評判だった同級生がアイドルになって成功を果たしたが、やっている事は日本中のオタクに阿附迎合してアニメやゲームが大好きと嘘をSNSで重ねているのだから何だか可哀想だ。
例文4.あれだけ阿附迎合したのに、何の前触れもなしに契約を打ち切りにするのだから本当に憎たらしい。
例文5.暗号資産を絶賛してパチンコや競馬を否定する者は、認可を得る為に怪しい証券会社がどれだけ阿附迎合を重ねてきたのか1ミリも理解できないようだ。
阿附迎合」を使った例文となります。

阿附迎合の会話例

男性
貯金も大分貯まったし、そろそろ念願のカフェオープンを真剣に検討しないか?
女性
その件だけど、やっぱり会社勤めのままでいない。私の性格からしてお客さんに阿附迎合するのは耐えられない気がするのよ。
男性
お客にそこまで気を遣う必要がないって。それに会社で働いたって上司には阿附迎合するだろ?
女性
そうだけど…、今の時代は不安だからお店をオープンするのは怖いのよ。もう少し考えましょう。

念願だったカフェオープンを控えて夫婦の意見が対立するという内容です。

阿附迎合の豆知識

阿附迎合」から”媚びる”や”諂う”に関する四字熟語は、口先だけで愛想よく取り繕い媚び諂う「巧言令色」、心がねじけて諂い狡賢い人の「奸佞邪智」、時の権力者に諂う「趨炎附熱」、密のように甘い言葉で勧誘したり人に諂う話の「甜言蜜語」などがあります。

阿附迎合の難易度

阿附迎合」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”阿”は準1級で大学一般レベル、”附”は準2級で高校レベル、”迎”は4級で中学校レベル、”合”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

阿附迎合のまとめ

阿附迎合」は相手に機嫌を取る為に媚び諂う事です。権力者や営業先などには反発する事はできないので、どうしても機嫌を取るような態度を取ってしまうものです。そんな態度や会話などはどうしても当人や周囲の者も違和感を覚えるので、そんな媚び諂う姿を「阿附迎合」といいます。

阿附迎合な後輩
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