【金烏玉兎(きんうぎょくと)】の意味と例文と使い方

金烏玉兎(きんうぎょくと)

「金烏玉兎」は一見すると分かり辛い言葉ですが、意味などを調べていくと如何にも中国らしい言葉だと理解できるのではないでしょうか? また、太陽や月に烏や兎が棲むとした伝説めいたものは、一種のロマンであり、当時の人達の豊かな想像力を感じさせます。それでは、「金烏玉兎」について解説を始めさせて頂きます。

金烏玉兎の意味

「金烏玉兎」の意味は以下の通りです。
・太陽と月。日月の喩え。
・歳月、月日、年月などの事。
・金烏は太陽の異名、玉兎は月の異名で、そこから歳月や日月となる。
・”兎”を”兔”にした「金烏玉兔」も同義となる。
”金烏”は古代中国の伝説から太陽に棲むカラスでそこから「太陽の異名」、”玉兎”も同じく伝説上の月に棲むウサギで「月の異名」となり、合わせて太陽と月、又は月日や日月の喩えです。「金烏玉兎」を敢えて使う事で、太陽と月や歳月を畏まったり、丁寧な物言いとなります。もちろん、雰囲気的な側面もありますが、本来は月にはカラスもウサギもいないので、それを現代でも使うのは感情に訴える目的が強いです。例として、単に「年月が過ぎ去った」とするより、「金烏玉兎が過ぎ去った」とする方が趣を感じる人がいるからです。前者が無機質なのに対し、後者は古代中国の伝説を用いるとその前後の文脈も深い意味があると思ってしまいます。

金烏玉兎の由来・出典

「金烏玉兎」の由来は、古代中国の伝説とだけ伝えられその詳細は分かっていません。”金烏”は、中国戦国時代の韻文による詩集「楚辞」の「日中の烏」となります。

金烏玉兎の類義語・同義語

「金烏玉兎」の類義語には、「白兎赤烏」「烏兎匆匆」などが挙げられます。

金烏玉兎の使い方・例文

例文1.年末が迫ると、今年も金烏玉兎が過ぎ去るのはあっという間だと思う。
例文2.恋人同士や親子が金烏玉兎を眺める姿は風流を感じさせる。
例文3.卒業を控えた子供達に、担任教師が金烏玉兎の重要さから、青春時代という特別な若さについて教えていた。
例文4.老いてくると、金烏玉兎の大切さを噛み締めるものだ。
例文5.スポーツ選手は活躍できる期間が短いので、普通の人以上に中身が濃い金烏玉兎を過ごしている。
時間の大事さなどを問う例文となります。

金烏玉兎の会話例

男性
ちょっと見てよ。皺も増えたし、白髪も多くなったと思わない?
女性
そうね。それだけ年を取ったんでしょう。でも私は平気よ。
男性
そうだな。今年ももうすぐ終わるし、そうするとまた年を重ねて、金烏玉兎があっという間に過ぎ去る…。老いていくばかりで、辛いな。
女性
そんなに悲観しないの。私はあなたと金烏玉兎を過ごせて幸せだと思っているわよ。

夫は老いる愚痴を零すが、それを聞いている妻はそこまで悲観していないという会話やり取りです。

金烏玉兎の豆知識

「金烏玉兎」から、古代中国に伝わる太陽に烏が棲むという伝説を深掘りします。中国では昔から太陽(金)には三本足の烏が棲むと言われ、その理由は太陽の黒点を烏の黒色に喩えたとされています。足が三本なのは、数字の三が陽数(奇数)であり縁起が良いのが影響したそうです。陽数で最も最大で縁起が良いとされるのは”9”なので、そこから現在でも9月9日は節句「重陽」という長寿を祈る日として、最も重要なイベントに扱われています。

金烏玉兎の難易度

「金烏玉兎」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”烏”と”兎”は準1級で大学一般レベル、”金”と”玉”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

金烏玉兎のまとめ

「金烏玉兎」は、古代中国の伝説である太陽に棲む烏と月に棲む兎から、太陽と月や月日という喩えとなります。なかなか使い方が限定される言葉ですが、趣や雰囲気を良くする際に、敢えて「金烏玉兎」を用いる傾向があります。

金烏玉兎が過ぎ去るのはあっという間だ
最新情報をチェックしよう!