【紫電一閃(しでんいっせん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

紫電一閃(しでんいっせん)

「紫電一閃」とは「鋭い刀を振った際の光や稲妻から、一瞬や急激な変化の事」です。正直なところ、分かりそうでよく分からない言葉ですよね。個人的には、切れ味抜群な刀を振ると陽光や炎などに反応して一瞬だけ光る様が、当時は特に印象的だったのでしょう。その強烈なインパクトから、実際に刀を振るだけでなく、他の物事でも使われるようになったと思えます。そんな「紫電一閃」についての解説となります。

紫電一閃の意味

「紫電一閃」の意味は以下の通りです。
・あっという間。一瞬。
・研ぎ澄ました刀の一振りで煌めく光から、転じて、事態の急激な変化や切迫した事態。
・一振りで刀剣が稲妻のようにきらりとする事から、一瞬や短い時間の喩え。
”紫電”は「紫の稲妻」「紫色の電光」「鋭い目の光」「研ぎ澄ました刀からの鋭い光」、”一閃”は「きらりと光る」「閃き」「物の動きが素早い様」で、刀を鋭く振った際に発する光が「紫電一閃」です。その光は本の僅かなので、そこから一瞬やあっという間、或いは急激な事態や急を要する、切迫している喩えともなります。この事から「紫電一閃」は複数の意味合いを持ち、前後の文脈によってその都度解釈が変化するのです。それでも通常は、戦国時代の死闘や剣道などのスポーツで一瞬の判断によって結果が変わる際に「紫電一閃」が使われます。他にも天気・政治情勢・経済など日々の時事的な出来事でも、緊迫や切迫を伝える際に「紫電一閃」として、その緊張具合を伝える言葉としての役目があります。

紫電一閃の由来・出典

「紫電一閃」の由来は残念ながら不明です。諸説入り乱れていますが正確には判明していません。文献としては、小説家・山田風太郎の著書「武蔵野水滸伝」(1974年)などに文言が記されています。

紫電一閃の類義語・同義語

「紫電一閃」の類義語には、「電光一閃」「電光石火」「光芒一閃」などが挙げられます。

紫電一閃の使い方・例文

例文1.雷が急激に光り、これは天気が荒れるかと思ったら紫電一閃、空から大雨が土砂降りとなって落ちてきた。
例文2.毎日パソコン前に座り為替や株取引をしているが、どんなに調子が良くても午前と午後では相場は突然に紫電一閃となり、大損をする事もあるので注意が必要だ。
例文3.30歳になっても紫電一閃となるまで、毎日の呑気に過ごしてきたのは間違いだったようだ。
例文4.最近のドラマや映画は物語の展開が早く、紫電一閃で事態が変わるので内容を理解するのが大変だ。
例文5.サッカーやバスケは攻撃と守備が紫電一閃で切り替わるので、とてもスリリングなスポーツだ。
一瞬で物事が変化する事を「紫電一閃」とした例文となります。

紫電一閃の会話例

男性
やばい。洗濯物入れないと、ほら。
女性
やだー。何で急に雨が降ってくるの?
男性
春は突然天気が変わるからね。本当に紫電一閃、急に雨だよ。
女性
これからは外に干す時も注意しないとね。

天気が突然雨に変わり、急いで洗濯物を入れ込む夫婦の会話です。

紫電一閃の豆知識

「紫電一閃」から”一瞬”に関する四字熟語は、一瞬も気を緩めないで仏道修行に励む「滴水嫡凍」、一瞬でも怠りなく務めたり僅かな時間の事である「造次顚沛」、ほんの一瞬だけの出会いですぐに別れる「社燕秋鴻」、宇宙は永遠に循環運動を繰り返すので人間は一瞬一瞬を大切にすべきという「永劫回帰」などがあります。

紫電一閃の難易度

「紫電一閃」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”閃”は準1級で大学一般レベル、”紫”は4級で中学レベル、”電”は9級、”一”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

紫電一閃のまとめ

「紫電一閃」は紫の稲妻や電光と光るという意味を合わせた言葉で、そのあっという間の光から、一瞬や事態が急激に変化している状況の事です。良い意味でも悪い意味でも使われますが、一瞬で様変わりした状況を強調する際などに用いられます。

雷が紫電一閃を表す。
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