【禅譲放伐(ぜんじょうほうばつ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

禅譲放伐(ぜんじょうほうばつ)

「禅譲放伐」とは「古代中国における、平和と戦の二通りによる王朝交代の事」です。中国は大変歴史がある国なので、その時代の君主が最後にどうなるかはその都度違うのです。平和的に君主が地位を譲る時もあれば、あまりにも悪政が酷いと人々が反乱をするので、そこで倒されてしまう事もあります。そんな両極端な王朝交代の顛末を表す「禅譲放伐」について調べてみました。

禅譲放伐の意味

「禅譲放伐」の意味は以下の通りです。
・古代中国で王朝が交代する(二つの)方法。
・儒教の言葉で、王朝交代の形式について。
・”禅譲”と”放伐”はどちらも王朝交代の事で、それぞれ真逆の意味を持っている。
”禅譲”は「世襲無しで君主が選んだ人に譲る」、”放伐”は「臣下が武力などで君主を倒す」「悪政の君主を追い出す」となり、王朝交代の異なる意味を合わせた言葉が「禅譲放伐」です。要するに、時の王朝が真っ当なら”禅譲”となり、悪政で問題があると部下や人々は不満を募るので最終的には倒されたり追い出される事になるのです。よって、「禅譲放伐」は古代中国の帝位継承の種類である言葉を合わせた四字熟語で、他にも日本でお馴染みの”世襲”や”簒奪”もあります。”世襲”は「親子や孫に地位や権力を受け継がせる」、”簒奪”は「下の者が力づくで君主の地位を奪い取る」です。日本で例えるなら、「政権交代」や「権力交代」、或いは「謀反」「造反」なども近いものがあります。使い方としては、「禅譲放伐の繰り返し」「禅譲放伐が始まる」といった風に、古代中国の王朝や現在の日本の政局などで使われます。

禅譲放伐の由来・出典

「禅譲放伐」の由来は、中国戦国時代の思想家・孟子による書物「孟子」の「梁恵王・下」です。

禅譲放伐の類義語・同義語

「禅譲放伐」の類義語には、「王朝交代」「革命易姓」「政権交代」などが挙げられます。

禅譲放伐の使い方・例文

例文1.世界の政治を見ると、程度の差はあれ禅譲放伐が延々と繰り返されている。
例文2.禅譲放伐とは権力を握る構造がある以上、必ず起こってしまうものである。
例文3.日本ではどんなに政権が腐敗しても、禅譲放伐の放伐が起こらないのだから、それは悪い事をしても余裕でいられる訳だ。
例文4.中国は歴史を振り返ると禅譲放伐が繰り返されてきたのに、現在は共産党の一党支配で反乱を完全に支配しているのがとても不気味だ。
例文5.権力を握り国のトップに立つと、禅譲放伐となるのは絶対に嫌なので、だから何としても現在の地位にしがみ付きたく姑息な事を繰り返すのだろう。
王朝交代や国のトップについて「禅譲放伐」を使った例文です。

禅譲放伐の会話例

男性
今年って凄い一年になりそうだよね。
女性
コロナや東京五輪があるから?
男性
それだけじゃなくて、衆院選や都議会選挙もあるでしょう。もしかしたら、2021年は後世に語り継がれる一年になるかもよ。
女性
それは大袈裟じゃない。でも、投票率が上がって禅譲放伐みたいな政権交代が起これば未来に希望が持てるな。

男女2人が今年は政治が注目という会話をしています。

禅譲放伐の豆知識

「禅譲放伐」について、さらに深掘りします。古代中国では基本的に王朝交代は”禅譲”と”放伐”の二つだけで、”禅譲”は前王朝から譲り受けるので平和的な王朝交代です。対して、”放伐”は前王朝を倒すのでそこには戦や王殺しが必然です。従って、血を流す流さない王朝交代と分ける事もできます。

禅譲放伐の難易度

「禅譲放伐」は漢字検定準2級から8級相当の文字組み合わせで、”禅”は準2級で高校レベル、”譲”と”伐”は3級で中学卒業レベル、”放”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

禅譲放伐のまとめ

「禅譲放伐」は古代中国の王朝交代を意味する二つの言葉を合わせたもので、”禅譲”は君主が帝位を譲り渡す事で、”放伐”は君主が臣下などに武力で打ち倒される事です。よって、平和的な王朝交代である”禅譲”と武力の戦による王朝交代の”放伐”を合わせたのが「禅譲放伐」です。

禅譲放伐を表す画。
最新情報をチェックしよう!