【百家争鳴(ひゃっかそうめい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

百家争鳴(ひゃっかそうめい)

「百家争鳴」とは「学者や専門家などが自由に議論を戦わせる事」です。中国は一党支配として長年歩んでいるので、どんなに欧米各国が正論を説いても考えを変える事はありません。ですからロシアや北朝鮮と限りなく似ているのですが、経済大国に成長を遂げたのが問題を複雑化させています。経済的に見るとここまで発展したのだから自由な意見などもまかり通ると思うと、政治的な圧力は想像以上に厳しく政府批判は絶対に許されないのです。

百家争鳴の意味

「百家争鳴」の意味は以下の通りです。
 ・いろいろな立場の者が自由に議論を戦わせる事。
 ・1950年代当時の中国の主席・毛沢東が提唱した文化政策スローガンで、学者や専門家が自由に意見を出し合い議論を重ねる事。
「百家争鳴」は正しくは「百花斉放・百家争鳴」(ひゃっかせいほう・ひゃっかそうめい)となる言葉で、それを省略したのが「百家争鳴」です。現在の中国の基盤を築いた重要人物である主席・毛沢東が文化政策スローガンとして1956年5月に提唱され、忽ち世間に浸透をしていきました。当初は上記のような前向きな意味として、誰もが自由に意見を出し合い中国をより良く発展させる目的がありましたが、その後は民主化の動きを封じ込める政策を中国が取るようになると、表面上は自由な議論を求めながら裏では弾圧や締め付けが厳しくなり、「百家争鳴」も意味のないスローガンの象徴という扱いになり下がっています。よって、一応は「自由な議論を活発に行う」といった意味ですが、皮肉や批判的に使われる場合も多々あります。

百家争鳴の由来・出典

「百家争鳴」の由来は中国春秋戦国時代の学者や学派の総称「諸子百家」となります。

百家争鳴の類義語・同義語

「百家争鳴」の類義語には、「議論百出」「百花斉放」「百花繚乱」などが挙げられます。

百家争鳴の使い方・例文

例文1.うちの会社も去年倒産したが、もし社長達に百家争鳴を取り入れて部下達の声を聞く余裕があればもう少しは延命したはずだ。
例文2.民主主義とは百家争鳴を巡るせめぎ合いで、適度なバランスで落としどころを見つけるしかないがそれが難しい。
例文3.自分達が編み出した言葉に縛られ、仕方がないので百家争鳴を破っても面子を保つのが中国という国の恐ろしさだ。
例文4.ワイドショーや討論番組では連日のようにコロナなど様々な問題について百家争鳴が続けられてきたが、残念ながらそれが国に反映され改善される事は皆無である。
例文5.自分達が一番偉いと高を括り、下流の人々の百家争鳴などは一銭の価値もないと無視してきた結果がこの歪な社会構造と膨れ上がった財政赤字だ。
「百家争鳴」を使った例文となります。

百家争鳴の会話例

男性
まったく頭が痛いなー、もう。
女性
また会社で何か遭ったの?
男性
色々あって社内が分断していて、その調整役が俺なんだけど、あんな個性強いメンバーをまとめられる訳がないっていうんだよ。
女性
そう言わずに、本音を出して意見をぶつけてもらう百家争鳴みたいな場を設けてみるのは無理なの?

仕事に苦しむ夫に妻がアドバイスを送っています。

百家争鳴の豆知識

「百家争鳴」から”議論”に関する四字熟語は、無駄な表現が多く下手な議論や文章の「蛙鳴蝉噪」、盛んに議論する「侃侃諤諤」、自分が正しいと思う事を主張し激しく議論を戦わせる「危言覈論」などがあります。

百家争鳴の難易度

「百家争鳴」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”争”は7級で小学校中学年レベル、”家”と”鳴”は9級、”百”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

百家争鳴のまとめ

「百家争鳴」は毛沢東による中国並びに中国共産党のスローガンで、様々な立場の者が自由に意見を繰り出す事です。議論を重ねると諸問題が解決に向かうとされ重要視されたのですが、次第に共産党への反対意見に恐れるあまり弾圧へと進むので、自由な意見とは形だけで実際に批判をするのは許されません。そんな歪んだ構造であり建前の自由議論と化しているのが「百家争鳴」です。

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