【理非曲直(りひきょくちょく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

理非曲直(りひきょくちょく)

「理非曲直」とは「道理に合っていて正しいか否か。道理に適っているか外れているか」という事です。世の中には正しい事でも悪いとされたり、逆に悪い事でも御咎めなしや不正ではないと扱われる事が多々あります。あまりにも理不尽な社会構造ですが、そんな社会に一石を投じて反応を確かめる様な言葉が「理非曲直」です。従って、正しい考えを持つ人が不正に我慢出来ない時などに問題提起として使う傾向となる「理非曲直」の解説をさせて頂きます。

理非曲直の意味

「理非曲直」の意味は以下の通りです。
・道理に合っている事と道理に合っていない事。道理に適うと道理に外れている。
・不正と公正。間違いと正しい事。
・道理に合っていて正しいか否かで、物事の是非を問う言葉。
”理非”は「道理に適っている事と外れている事」「是非」「良否」、”曲直”は「形や線が曲がっている」「不正と正しい事」「正邪」となり、どちらも基本的にはほぼ同じ意味で道理の是非についての言葉です。物事の善悪を問わない時や両方の存在を認める時、間違いと正しいを容易に判断出来ない時などに用いられます。要するに、物事はそんなに単純ではなく様々な角度から判断する必要があったり、或いはどちらの意見にも納得できる場合にバランスを取っているともなります。または、明らかに不正なのに公正となる場合に、世間や周囲に異論を唱える際にも用いられます。使い方としては「理非曲直を正す」「理非曲直を問う」「理非曲直を弁える」といった風になります。

理非曲直の由来・出典

「理非曲直」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、イギリス功利主義の思想家・JSミルの著書「On Liberty」の訳書「自由之理」(1872年)などに文言が記されています。

理非曲直の類義語・同義語

「理非曲直」の類義語には、「是是非非」「是非曲直」などが挙げられます。

理非曲直の使い方・例文

例文1.大企業から接待を受ける事の理非曲直すら理解できない政治家がどの様にして国家を運営していくのか、庶民には理解に苦しむ。
例文2.息子が躍起になって官僚に接待攻勢をしかけたが時の総理は理非曲直の観点で問題がないと判断し、今でも平然とその座にしがみつき国民は何一つ文句を言わないのだから、自浄機能が停止した似非民主主義で実に素晴らしい独裁国家だ。
例文3.裏社会のルールでは、理非曲直を明らかしないのが何よりも大前提となる。
例文4.どんなに子供に大層な正義や道徳を教えても、その結果が現在のこの国の有様なのだから、それは理非曲直が機能していないと認めるしかないのではと誰かに問いたいがきっと理解されないだろう。
例文5.社会の理非曲直の問題点を正す理想よりも、現実を生きる身としてはまずは目の前の給付金や現金が大事である。
政治家や国家の問題に「理非曲直」を使った例文です。

理非曲直の会話例

男性
参観日って、明日だよね?
女性
そうよ。あなたも出席するんだからね。それで、道徳の授業をするみたいよ。
男性
道徳かー、懐かしいな。でも、子供に善悪や是非を正しく教えても、今の大人達の姿を見たら失望するんじゃないの。理非曲直を正せていないからね。
女性
そうね。どんなに道徳的に問題があっても、権力を握る政治家ならOKとなっているものね。それを黙って容認する国民ばかりだし…。でも、だからどんな道徳の授業をするのか楽しみじゃない。

子供の授業参観で道徳の授業が行われる事になり、夫婦が道徳や道理の価値観について会話をしています。

理非曲直の豆知識

「理非曲直」から”不正”に関する四字熟語は、正統ではない思想や信仰や学説である「異端邪説」、清らかや善なるもので不正を取り除く「激濁揚清」、国の法律を引き締めて不正を厳しく取り締まる「綱紀粛正」、不正で自らの勢力を伸ばす「左建外易」、物事の善悪や正不正の「是非曲直」などがあります。

理非曲直の難易度

「理非曲直」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”非”は6級で小学校高学年レベル、”曲”は8級で小学校中学年レベル、”理”と”直”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

理非曲直のまとめ

「理非曲直」は道理に合っている事と合っていない事で、不正と公正を合わせて一つにした四字熟語となります。物事の良い面と悪い面、又は悪い面が正しく判断されない時に世間や人々に問う様な形で使われます。

国政では理非曲直は黙秘する暗黙のルールがある。
最新情報をチェックしよう!