【杯盤狼藉(はいばんろうぜき)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

杯盤狼藉(はいばんろうぜき)

「杯盤狼藉」とは「寝床となる草を荒らす狼の習性から、宴会後の物が散乱する汚れた状態の喩え」です。お酒が入り酔っぱらうと、汚れていようが散らかっていようが気にせずにその場で寝てしまいますよね。そんな姿をまるで野生の狼のようだと喩えたのが「杯盤狼藉」です。

杯盤狼藉の意味

「杯盤狼藉」の意味は以下の通りです。
 ・酒宴の後に辺り一面に杯や皿が散らかっている様子。
 ・狼は草を踏み荒らして寝る習性から転じて、宴会後の物が散乱している酷い状態の事。
 ・「盃盤狼藉」も同義。
”杯盤”は「杯や皿などの食器」、”狼藉”は「寝る前の狼が寝床として下草を踏み荒らす習性」で、酒席で散らかった様子をまるで狼の寝床と喩えたのが「杯盤狼藉」です。よって、現代なら飲み会などが終わりグラスや皿が散らかっているテーブルや部屋といった意味合いで、使い方としては「杯盤狼藉の有り様」「杯盤狼藉な状態」といった形になります。

杯盤狼藉の由来・出典

「杯盤狼藉」の由来は中国前漢時代の歴史書「史記」の淳于髠となります。

杯盤狼藉の類義語・同義語

「杯盤狼藉」の類義語には、「落花狼藉」「乱暴狼藉」などが挙げられます。

杯盤狼藉の使い方・例文

例文1.東京で一人暮らしを始めて早5年。親元で暮らしていた時は部屋を綺麗にしていたが、今は煩い人が居なく杯盤狼藉となっていて下着と食べ物が隣合わせなのが当たり前の酷い状態だ。
例文2.どんなに綺麗であったり仕事が優秀でも、杯盤狼藉な生活をしている人は生理的に受け付けない。
例文3.借金が多い人は杯盤狼藉な暮らしをしていると昔は言われたが、現在は人目を気にして良い生活を維持する為に借金を重ねる人が多いそうだ。
例文4.酒を飲んで杯盤狼藉になるのはまだ理解できるが、飲まないで部屋が荒れる杯盤狼藉になるのは性格の問題だろう。
例文5.近所のゴミ屋敷は杯盤狼藉な有り様だが、そこで暮らす家族はとても愛想が良くて健康そうで、そのギャップにただ驚くばかりだ。
「杯盤狼藉」を使った例文となります。

杯盤狼藉の会話例

男性
今日は学生時代の友人と飲み会なんだよ。憂鬱だー。
女性
いいじゃない楽しくて。何が不満なの?
男性
ほら、コロナでしょう。だからお店じゃなくて自宅でやろうってなって、結局は俺の部屋に決定したんだよ。もう杯盤狼藉になるのが分かっているから嫌で嫌で最悪だよ。
女性
それなら今から連絡して、やっぱり居酒屋でやれば良くない? 適当な嘘を吐いて、部屋では無理って言えばいいじゃない。

自分の部屋で飲み会をする事になり憂鬱になる職場の男性という内容です。

杯盤狼藉の豆知識

「杯盤狼藉」から”狼”に関する四字熟語は、狼の子は飼い主に慣れない事から人に従わず危害を加える恐れがある「狼子野心」、狼のように暴れたり無法行為を繰り返す「乱暴狼藉」、伝説の獣から非常に慌てたり狼狽える「周章狼狽」などがあります。

杯盤狼藉の難易度

「杯盤狼藉」は漢字検定1級から4級相当の文字組み合わせで、”藉”は1級、”狼”は準1級で大学一般レベル、”杯”と”盤”は4級で中学レベルの四字熟語となります。

杯盤狼藉のまとめ

「杯盤狼藉」は酒席の後に杯や皿で部屋が散らかってしまう事です。狼が寝床作りで草を踏む習性を散らかしているとして、その様子を人間の酒席後と表現しています。人間も酒が入ると理性が飛んでしまい、野生の狼のように散らかっているのも気にしなくなるという事なのでしょう。

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