【悪酔強酒(あくすいきょうしゅ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

悪酔強酒(あくすいきょうしゅ)

「悪酔強酒」とは「酒は体や健康に良くないと分かっていても飲んでしまう事から、望みと実行が相反する喩え」です。酒という飲み物は独特の魅力があるので、いつの時代も身を滅ぼす人が多かったようです。それでも止められないのは、飲んでいる時間があまりにも楽しくて我を忘れさせてくれるからでしょう。

悪酔強酒の意味

「悪酔強酒」の意味は以下の通りです。
 ・望んでいる事と実行する事が相反する事。
 ・酒に悪酔いするのは良くないと知りながらも無理に酒を飲む事から、転じて、悪い行いと知っていながらもやってしまう事。
 ・「酔いを悪みて酒を強う」(よいをにくみてさけをしう)と読む。
”悪酔”は「酒に酔うのは悪い事」「酒に酔うのはよくないと思う」、”強酒”は「無理に酒を飲む」で、酒に酔っ払うのは悪いと分かっていながらも無理して飲んでしまうのが「悪酔強酒」です。下戸からすると単なる酒好きの言い訳に聞こえますが、世の中には悪いと分かっていても止められない事って多々あるもので、そこから望んでいる事と行動が真逆になると理解できます。特に酒とは酔いが疲れや不満を和らげるので、どうしても飲まないといられないと昔の人も思っていたのでしょう。使い方としては「悪酔強酒の振る舞い」「悪酔強酒にならざるを得ない」「悪酔強酒に陥る」といった風になります。

悪酔強酒の由来・出典

「悪酔強酒」の由来は中国戦国時代の儒学者・孟子の思想書「孟子」の「離婁」となります。

悪酔強酒の類義語・同義語

「悪酔強酒」の類義語には、「矛盾撞着」「自家撞着」「自己矛盾」などが挙げられます。

悪酔強酒の使い方・例文

例文1.頭では悪酔強酒と分かっているが、心が求めてパチンコも酒も生涯止められない。
例文2.税金を徴収する側である国税局職員が給付金を騙し取るとは、最初は悪酔強酒にしては笑えない冗談だと思ったら本当だと知り呆れ果てた。
例文3.ストレス発散と言い訳してSNSで他人へ誹謗中傷をしてきたが、最近になってされた方はもっとストレスになると思い、自分のストレス発散で他人を苦しめるのは悪酔強酒にしても下劣行為だと理解できた。
例文4.医者から痩せるように言われているが、どうしてもジャンクフードを夜中に食べては悪酔強酒と落ち込み、それでも翌日も繰り返してしまう。
例文5.健康を考え時々1週間禁酒をしては自分への褒美として今まで以上に飲んだ暮れてしまい、それを数年繰り返したら健康診断でとんでもない悪い数値を叩き出してやっと悪酔強酒の行いを改めようと決意したが、もう左足には激痛が走るようアップデートされてしまった。
「悪酔強酒」を使った例文となります。

悪酔強酒の会話例

男性
俺やるよ。明日から生まれ変わる。出勤前に走って、酒もたばこも止めて、仕事終わりにまた走るよ。今度は本気だから。
女性
そんなに意志が固いのに、なぜまだ焼酎を飲んでいるのよ。
男性
だから、明日からだよ。今日はまだ飲んで良い日なんだよ。あ、し、た、か、ら。
女性
あなたは家系的にも悪酔強酒なんだから、絶対に無理よ。だいたい、それだけ飲んで早起きなんて出来ないでしょう。

酒を止めると決意した夫に対して、絶対に無理だとする妻の会話となります。

悪酔強酒の豆知識

「悪酔強酒」から”酒酔い”に関する四字熟語は、酒に酔って気分が良い「羽化登仙」、少し飲んでひと酔いすれば千日も眠るとされる酒の喩え「一酔千日」、酔いに任せて道をふらふら歩く「酔歩蹣跚」などがあります。

悪酔強酒の難易度

「悪酔強酒」は漢字検定3級から9級相当の文字組み合わせで、”酔”は3級で中学校卒業レベル、”悪”と”酒”は8級で小学校中学年レベル、”強”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

悪酔強酒のまとめ

「悪酔強酒」は酒が悪いと知っていても飲んでしまう事から、望みと実行が違ってしまうという意味です。要するに言動や態度と行動の矛盾であり、その最たる例が酒となるのでしょう。現代なら自分が好きな趣味であったり、或いは健康に悪いと分かっていても肉料理や濃い味付けを好むといったところで、いつの時代も己を律するのは難しいと解釈できます。

悪酔強酒をしてしまう男性
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