【悪衣悪食(あくいあくしょく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

悪衣悪食(あくいあくしょく)

「悪衣悪食」とは「質素な衣服や食事から貧しい暮らしや質素な生活の喩え」です。それは誰でもきちんとした洋服や美味しい食事の方が良いでしょうが、もし貧しい暮らしだとしても悲観や卑下する必要もなく、努力をしている最中なら生活が貧しいのは当たり前であり、そんな事を考えさせられる四字熟語になっています。

悪衣悪食の意味

「悪衣悪食」の意味は以下の通りです。
 ・質素で粗末な着物や食べ物であり、また質素な生活の喩え。
 ・みすぼらしい衣類や食物から、豊かでない生活の喩え。
 ・「あくいあくじき」とも読む。
”悪衣”は「粗末な着物」、”悪食”は「粗末な食事」「普通は食べない物を好んで食べる如何物食い(いかものぐい)」で、貧しい着物を着たり粗末な食事しか食べられない生活が「悪衣悪食」で、貧しい生活や質素な生活の喩えとなります。一見するとネガティブな言葉にも思えますが、由来となる「論語」では「道徳の修養を志す人は外面とされる質素な着物や食事を恥ずかしいと思うようでは、まだ道を論ずる資格がない」と諭しています。よって、質素な生活を送っているのは表面的な事でありまったく問題がないと説いているのでしょう。現代的に解釈するなら、服装やブランド物など外見や美味しい食事ばかりに気を取られるのはまだ二流であり本質を見誤っていて、もっと大事な事に集中するべきといった感じではないでしょうか。使い方としては「悪衣悪食の人」「悪衣悪食な生活」といった風になります。

悪衣悪食の由来・出典

「悪衣悪食」の由来は中国春秋時代の思想家・孔子の言葉をまとめた書物「論語」の「里仁」となります。

悪衣悪食の類義語・同義語

「悪衣悪食」の類義語には、「粗衣粗食」「節衣縮食」「粗衣糲食」などが挙げられます。

悪衣悪食の使い方・例文

例文1.彼は人から悪衣悪食と言われてもまったく気にせず、自分の信念を貫き通すとてもタフで勇敢な男だ。
例文2.iPhone信者に言わせるとAndroidを持つのは悪衣悪食の象徴だそうだが、クレジット分割払いで無理して購入しているのは生活苦だからではないのか問い質してみたい。
例文3.本当の成功者は幼い頃は悪衣悪食であり反エリートでそしてアンチ資本主義を掲げると思ったが、するとプーチンも半分ぐらい条件を満たすのでやっぱり違うようだ。
例文4.世の中は外見至上主義なのだから悪衣悪食では生き辛いのは間違いなく、だからといって昨今の整形天国もいかがなものかと疑問を抱く。
例文5.貧しいながらも正直に生きる者を悪衣悪食とバカにする人は、税金を奪い好き勝手に散財する政治家や裏社会と繋がりがある経営者を絶賛する思考なのだから、まったくが理解できない。
「悪衣悪食」を使った例文となります。

悪衣悪食の会話例

男性
これからはミニマリストになろうと思っているんだよ。
女性
えー、先週まではファッションや最新家電を買う事が常識で生き甲斐みたいだったじゃないですか?
男性
そうなんだけど、馬鹿らしくなってね。だから外食も控えて、節制していく事にするよ。そんな俺を悪衣悪食って揶揄わないでよ。
女性
でもその方が自然体というか逆に現代らしいですよね。私も真似しようかな。

洋服や家電に興味がなくなりミニマリストを目指す職場男性とその後輩女性の会話です。

悪衣悪食の豆知識

「悪衣悪食」から”衣類”に関する四字熟語は、天皇以下の公家や昔の貴族や官僚の正装「衣冠束帯」、煌びやかな衣装で故郷に帰る「衣錦還郷」、朝廷に出仕する際に着る衣服「朝衣朝冠」などがあります。

悪衣悪食の難易度

「悪衣悪食」は漢字検定7級から9級相当の文字組み合わせで、”衣”は7級、”悪”は8級で小学校中学年レベル、”食”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

悪衣悪食のまとめ

「悪衣悪食」は質素な着物・衣服や食べ物という意味で、そこから貧しい暮らしぶりが窺える四字熟語です。確かにきちんとした着物が着れて美味しい食事を食べられる方が嬉しいですが、そのような表面的な事に縛られずもっと本質的に大事なものがあると説いています。

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