【夜雨対床(やうたいしょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

夜雨対床(やうたいしょう)

「夜雨対床」とは、「兄弟や親友との親しさを表現」を表す四字熟語です。人生における大切な存在である親友との親しさを表す言葉です。文字だけではなかなか想像できない意味ですが、この文を詠んだ人物の当時の心境を知ることによって理解が深まります。今回はそんな「夜雨対床」の解説をしていきます。

夜雨対床の意味

夜雨対床の意味は以下の通りです。
・兄弟や親友との親しさ
・友人と親密である様
「夜雨」は夜に降る雨を表しています。「対床」は床で布団を並べて寝ることを意味しています。ここから雨の中兄弟といっしょに仲良く寝る様を表し、親しさを表現する四字熟語になりました。この文を書いた蘇 軾(そしょく)という人物は、彼の弟と夜雨の中で語り合ったことをこの一文で表現しています。
この言葉は「風雪対牀」という四字熟語をもとにして詠まれており、「夜雨」を使うことによって夜の静けさの中で雨が降っている様子と、床で隣同士で寝ている兄弟の様子が想像できます。
現代でも旅行などで親友と同じ部屋で朝まで語り合ったという経験を持っている人もいるかと思いますが、それに近いものを当時の蘇軾は作品として残しています。

夜雨対床の由来・出典

「夜雨対床」は、中国唐(中唐)の詩人である韋応物(いおうぶつ)が友人との別れの際に送った作品である「寧(なん)ぞ知らん、風雪の夜、復(ま)た此(ここ)に対牀(たいしょう)して眠らんことを」が元になっています。それを元に、中国北宋の政治家、書家である蘇 軾(そしょく)によって「夜雨対床」が詠まれました。

夜雨対床の類義語・同義語

「夜雨対床」の類義語には、「対牀風雪」「対牀夜雨」などの言葉が挙げられます。

夜雨対床の使い方・例文

例文1.夜雨対床で、あの二人はいつも一緒にいることが多い。
例文2.夜雨対床で、なんでも言い合えるような仲であるあの二人がうらやましい。
例文3.夜雨対床の二人組がはじめてけんかをしている場面に出会ったが、次の日には仲直りしていた。
例文4.高校時代に衣食住をともにした彼らは既に夜雨対床の仲である。
例文5.今までの人生で夜雨対床と呼べるような人に会ったことがなかったが、これからも出会うことはないだろう。
「夜雨対床」を使った例文です。

夜雨対床の会話例

男性
この前一緒に遊んでた男の子はなんていう名前なの?
女性
○○君っていうんだ。小学校からクラスが一緒で仲がいいんだ。
男性
そうなんだ。すごく仲が良さそうだったよ。
女性
嫉妬してるの?彼は夜雨対床の仲だけど、ただの友達だよ。

友人関係について問われている女性とその彼氏の会話です。

夜雨対床の豆知識

「夜雨対床」を詠んだ蘇軾は非常に兄弟愛にあふれており、弟の蘇轍(そてつ)に向けられた詩を多く残しています。

夜雨対床の難易度

「夜雨対床」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”夜”は9級で小学2年生レベル、”雨”は10級で小学1年生レベル、”対”は8級で小学3年生レベル、”床”は4級で中学校在学レベルの四字熟語です。

夜雨対床のまとめ

大人になっていくにつれて仕事以外で誰かと過ごす時間が減っていき、親友と呼べる人を作るのが難しくなります。学生時代に意味もなく一緒に過ごした親友はいつまでたっても大切な存在です。しかし、大切な存在だと気づくには離れ離れになって初めて認識できるのかもしれません。そんな親友を思う「夜雨対床」の解説でした。

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