【夏炉冬扇(かろとうせん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

夏炉冬扇(かろとうせん)

「夏炉冬扇」とは、役に立たないものや時期が外れて無駄なものといった意味があります。夏になってくると冬服が安くなりついつい買ってしまいますが結局着ないで一生クローゼットの奥に眠ることになったという経験があるのではないでしょうか。そんな意味を持つ「夏炉冬扇」の解説です。

夏炉冬扇の意味

夏炉冬扇の意味は以下の通りです。
・役に立たないもの。
・時期が外れて無駄なもの。
・無駄な能力。
漢字に着目すると、夏に火鉢や囲炉裏(夏炉)を使い、冬になるとうちわ(冬扇)を使うことから時期が外れて無駄なものを表します。
今では無駄なものや季節外れで役に立たないものを表すなどネガティブなイメージの四字熟語ですが、元となった論衡(ろんこう)では夏の火鉢は雨によるの湿気をとり、冬のうちわは火を大きくすることから出世できるかは主君とウマが合うかどうかによると記載があり、どんなに役に立たない人物でも君主に気に入られれば出世できると、ポジティブに捉えられています。
また、単純に無駄なもの対して使うのではなく季節や時期が外れて無駄になるといった時間が関係している事に対して使います。

夏炉冬扇の由来・出典

「夏炉冬扇」の出典は、中国、後漢(ごかん)の思想家王充(おうじゅう)の著書である論衡(ろんこう)からです。有名な松尾芭蕉も自分の俳諧(はいかい)を「夏炉冬扇」のようなものと考えていたそうです。

夏炉冬扇の類義語・同義語

「夏炉冬扇」の類義語には、「冬扇夏炉」「蛇足」「月夜に提灯」が挙げられます。

夏炉冬扇の使い方・例文

例文1.最新のモデルが発売されて今まで使っていたものは夏炉冬扇になる。
例文2.バーゲンで夏の終わりに買った夏服も冬であれば夏炉冬扇になる。
例文3.夏に使った扇風機を冬の間に出しておいても部屋が狭くなり夏炉冬扇である。
例文4.日本語を勉強したが今は中国語の方が需要があり夏炉冬扇である。
例文5.どんなに素晴らしい技術でも時間が経てば夏炉冬扇である。
「夏炉冬扇」を使った例文となります。

夏炉冬扇の会話例

男性
昨日、アウトレットモール行ったらいい感じの服があってついつい買っちゃったんだよね。
女性
アウトレットモールってお手頃だから買いすぎちゃうよね。ちなみに何を買ったの。
男性
-5度でも暖かいジャケットだよ。
女性
今は夏よ、それを今買っても夏炉冬扇ね。

買い物好きの二人組の会話です。

夏炉冬扇の豆知識

「夏炉冬扇」には君主の信頼を失った部下や、男性に捨てられた女性を意味することもありましたが現在ではあまり使われていません。

夏炉冬扇の難易度

「夏炉冬扇」は漢字検定3級から9級相当の文字組み合わせで、”夏”は9級で小学2年生レベル、”炉”は3級で中学校卒業レベル、”冬”は9級で小学2年生レベル、”扇”は4級で中学校在学レベル、の四字熟語となります。

夏炉冬扇のまとめ

夏に囲炉裏を使うことはないですが、冬には大活躍をします。昔は人気がなくても時代とともに価値観が変わり必要とされることもあります。今は全く役に立たなくてもいつかあってよかったと思えるのなら他人が無駄だと思っていても自分の価値観判断して手元には置いておくのもいいのではないでしょうか。

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