【嚆矢濫觴(こうしらんしょう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

嚆矢濫觴(こうしらんしょう)

「嚆矢濫觴」とは「物事の始まりや起こりの事」です。起源の喩えや最初というニュアンスでも使われ、かなり難易度が高いのは間違いありません。日常生活で敢えてこの言葉を使うのは非常に稀ですが、漢詩や文献などでは登場する事も多いですし、何よりも意味はとてもシンプルなので割と容易に覚えられるのではないでしょうか。それでは解説に入らせて頂きます。

嚆矢濫觴の意味

「嚆矢濫觴」の意味は以下の通りです。
・物事の始まりや起こり。事の起こり。
・起源の喩え。
・かぶら矢と大河も上流は細流から、転じて、物事の始まりの事。
”嚆矢”は「かぶら矢」「戦争の始めにかぶら矢を射たので物事の始まりや最初」、”濫觴”は「川の源」「大きな川も最初の水源は杯一杯が溢れる程度の細流」で、どちらの言葉も始まりを意味しそれを繰り返して強調しているのが「嚆矢濫觴」です。より深掘りすると、古代中国では戦争の開始として敵陣にかぶら矢を射るのが暗黙のルールなので、かぶら矢=戦争開始となり、それが転じて、物事の始まりです。同様に”濫觴”は大きな川も上流に遡れば杯に溢れる程度の水量なので、転じて、始まり(の水量は僅か)となります。実際に文章などで使う際には、始まり・最初・開始という意味合いになります。

嚆矢濫觴の由来・出典

「嚆矢濫觴」の由来は残念ながら不明ですが、”嚆矢”は中国戦国時代の思想家・荘子の書物「荘子」の在宥、”濫觴”は中国戦国時代の思想家・荀子の書物「荀子」の子道となります。

嚆矢濫觴の類義語・同義語

「嚆矢濫觴」の類義語は厳密にはありませんが、類似となるのは「初期段階」「第一段階」「発端」「冒頭」「幕開け」などが挙げられます。

嚆矢濫觴の使い方・例文

例文1.新規事業に途中参加となり、本心としては嚆矢濫觴から関わりたかったがそれでも遣り甲斐があるので嬉しい。
例文2.物事を追求するには嚆矢濫觴まで遡る必要がある。
例文3.怪しい政治案件を嚆矢濫觴まで調べると、大物議員の名前がいくつも出てきて彼らが悪巧みで儲けているのは疑いようがないが、検察も警察もメディアもそれには触れない臆病者だらけだ。
例文4.コンビニ各社の嚆矢濫觴やその後の躍進は相当面白そうで、ドラマ化したら見応え満載だ。
例文5.ニート生活が長引き暇だったので天使と悪魔、天国と地獄の嚆矢濫觴を調べてみる事にした。
起源や始まりで「嚆矢濫觴」を使った例文です。

嚆矢濫觴の会話例

男性
そう言えば、駅に向かう途中にあるコンビニの場所って昔は何があったの?
女性
あそこは魚屋じゃなかった? それがコンビニになったよね。
男性
元魚屋って事? それは別のお店でしょう。確か、中古ゴルフグッズを売っていたよね? それが嚆矢濫觴で、その後は…、えーと喫茶店になってコンビニでしょう。
女性
思い出した。そうじゃなくてゴルフ屋の前もコンビニだよ。それで色んなお店に変わって結局はコンビニに戻ったの。歴史を感じさせるわ。

近所にあるお店の入れ替わりについて夫婦が会話をしています。

嚆矢濫觴の豆知識

「嚆矢濫觴」から”最初”に関する四字熟語は、事の始めから終わりまでの「一伍一什」と「一部始終」、何かを最初に話す「開口一番」、最初から最後まで態度を貫く「首尾一貫」、初めに決めた事を最後まで貫く「初志貫徹」、最初から最後まで手抜きをしないでやり通す「慎始敬終」などがあります。

嚆矢濫觴の難易度

「嚆矢濫觴」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”嚆”と”觴”は1級で大学一般レベル、”濫”は3級で中学卒業レベル、”矢”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

嚆矢濫觴のまとめ

「嚆矢濫觴」はかぶら矢と大きな川の始まりや杯を意味する言葉を合わせて、物事の始まりや起源を意味する言葉です。かなり難易度が高く日常では滅諦に使いませんが、これも覚えておくべき四字熟語となっています。

嚆矢濫觴は物事の始まりを表す。
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