【哀糸豪竹(あいしごうちく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

哀糸豪竹(あいしごうちく)

「哀糸豪竹」とは「哀しくも美しい琴と力強い笛の音色から、管弦が持つ音楽は人々を感動させる事」です。笛が力強いというのは現代の感覚だと意外ですが、当時は竹笛であり音色を安定させるにはしっかり息を吹いたり口の角度も気にするなど、かなり難しかったようです。そんな事から力強さや忍耐的な面が巧みに吹くには必要だったのでしょう。

哀糸豪竹の意味

「哀糸豪竹」の意味は以下の通りです。
 ・悲しい音の琴と力強く明るい音の笛が織り成す管弦は人を感動させる。
 ・悲しくも美しい琴の音色と力強い笛の音色は人の心に染みわたるという事。
”哀糸”は「(糸は琴な事から)悲しい琴の音色」、”豪竹”は「(竹は竹笛な事から)力強い笛の音色」となり、琴が出す悲しい音色と笛が出す力強い音色が織り成すと人々を感動させるのが「哀糸豪竹」です。これは音楽の力に心を打たれている様子であり、現在言うなら音楽会や演奏会での楽器が奏でる音色に感動をしていると理解できます。ですから、そのような音楽に触れる機会で「哀糸豪竹な気持ちになった」「哀糸豪竹で涙が零れた」といった風になります。逆に言うなら、音楽関係以外では使い道がないのでかなり限定的な使用になってしまう四字熟語です。

哀糸豪竹の由来・出典

「哀糸豪竹」の由来は中国唐時代の詩人・杜甫(とほ)の有名な詩「酔為馬墜」となります。

哀糸豪竹の類義語・同義語

「哀糸豪竹」の類義語には、「豪竹哀糸」などが挙げられます。

哀糸豪竹の使い方・例文

例文1.紅白歌合戦は両親にとって年に一度の哀糸豪竹な思いを満たしてくれる日となっている。
例文2.ロシアや北朝鮮は何かと記念式典で権力者を前にして音楽隊による演奏がされるが、それでも独裁が続くのは哀糸豪竹な気持ちは皆無で己のエゴしか心にないからだろう。
例文3.どんな一流音楽家のハイレゾ音源よりも、幼い娘が必死で歌う方が哀糸豪竹で心が震えるのだから我ながら親バカなのだろう。
例文4.怪しい酒場で不法滞在らしき外国人女性が歌い上げる人生の悲哀を込めたジャズスタンダードほど素晴らしいものはなく、その場の誰もが哀糸豪竹になって中には泣き出す客がいたほどだ。
例文5.音楽には無限の力があり哀糸豪竹となる瞬間も確かにあるが、アイドルやアニメ大好きのオタクが絶賛する曲がトレンドとなって日本を代表する曲と扱われる限りは廃れる一方だろう。
「豪竹哀糸」を使った例文となります。

哀糸豪竹の会話例

男性
このCM曲ってよく聴くけど、いい曲だよね。耳に残るっていうのかな。
女性
あなたにも哀糸豪竹な気持ちがあるんだ?
男性
それはあるよ。俺だって音楽は好きだからね。
女性
さっきの曲だけど、カバー曲のカバーバージョンだから。オリジナルはもっと良くてさらに哀糸豪竹すると思うよ。

CMから流れる曲を気に入っているという会話内容です。

哀糸豪竹の豆知識

「哀糸豪竹」から”音楽”に関する四字熟語は、歌と舞踏と音楽の「歌舞音曲」、人が好む三つの有益なものとして礼儀と音楽、他人の美点を話題にする事、そして優れた友人を持つ「益者三楽」、音楽と詩文と出来事などが奇抜で巧みな事の「石破天驚」などがあります。

哀糸豪竹の難易度

「哀糸豪竹」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、”哀”は3級で中学校卒業レベル、”豪”は4級で中学校レベル、”糸”と”竹”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

哀糸豪竹のまとめ

「哀糸豪竹」は哀しい琴と力強い笛の音色を聴くと感動をするという意味で、音楽や楽器演奏の素晴らしさや美しさを感じさせる四字熟語です。古代中国でも音楽の力を称賛していたと理解でき、現在でも共感される思いがこの言葉には込められています。

哀糸豪竹な気持ちになる
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