【呉下阿蒙(ごかのあもう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

呉下阿蒙(ごかのあもう)

「呉下阿蒙」とは「無学な人や進歩がない退屈な人の喩え」です。本来は無学だろうと相手を蔑むのは良くありませんが、それでも思わず用いる際に使うのが今回の「呉下阿蒙」となっています。久しぶりに再会した旧友に進歩がないとガッカリする時もありますが、そんな際の気持ちを表すのが「呉下阿蒙」ではないでしょうか。

呉下阿蒙の意味

「呉下阿蒙」の意味は以下の通りです。
 ・いつまで経っても全く進歩のない人。
 ・進歩しない人や無学な人の喩え。
 ・学問のない詰まらない人物の事で、嘲る際に使う。
 ・「呉下の阿蒙」、「旧阿蒙」も同義。
”呉下”は「古代中国の呉という国の地方で生活する」、”阿蒙”は「”蒙”という名前の男性」「蒙さん」で、地方都市の呉の武将・蒙はかつては教養がなかったが、君主から言われた通りに学問に励んだ結果素晴らしい教養を身に付け、久しぶりに長江で再会した知人は驚きのあまり、「呉下の阿蒙に非ず(あらず)」と口にしたそうです。「呉下の阿蒙に非ず」は「呉に居た頃の阿蒙(親しみを込め蒙ちゃんといった表現)ではない」となり、あまりにも優秀で別人に生まれ変わっていたという意味になります。そこから、呉に居た頃は優秀ではないので、進歩がないや無学な人を「呉下阿蒙」と喩えて使います。

呉下阿蒙の由来・出典

「呉下阿蒙」の由来は古代中国の歴史書「呉志」の呂蒙伝となります。

呉下阿蒙の類義語・同義語

「呉下阿蒙」の類義語には、「行尸走肉」「飲食之人」「無学文盲」などが挙げられます。

呉下阿蒙の使い方・例文

例文1.どんなに底辺でも呉下阿蒙と自覚があるならまったく問題がない。
例文2.荒れた地域に住んでいるので近所の全員が呉下阿蒙だと思うと、謎の連帯感から妙に挨拶だけはしっかりしてしまう。
例文3.日本の実態経済は何十年もマイナス成長だが、そんな国で為政者であるのは呉下阿蒙の代表と大手を振って歩いているようなものだ。
例文4.何かが足りないと分かっているが、自分も家族も親戚に職場の全員が呉下阿蒙なのだから、何もしないで後回しにしてしまう。
例文5.緑が減り危険信号が灯っていても呉下阿蒙な集団は呑気な青信号だと、危機意識はゼロのままである。
「呉下阿蒙」を使った例文となります。

呉下阿蒙の会話例

男性
自宅の近くに車の部品を扱う会社があるんだけど、そこの社員がどうしようもなくて。
女性
何が問題なの?
男性
マフラーを改造した車で爆音を鳴らして出退勤するんだよ。もうバカ丸出し。
女性
車好きだからって、改造車を乗り回すのは呉下阿蒙よね。それを認める会社も低レベルというか、自分達は特別だと思っているんでしょうね。近所からヒンシュクを買っているって理解出来ないんだもの、無学は相手の心も理解できないのよ。

違法な改造車を乗り回す近所の会社の社員を貶す会話です。

呉下阿蒙の豆知識

「呉下阿蒙」から”進歩”に関する四字熟語は、昔のままで少しも進歩や発展がない「旧態依然」、人の物事の成長や進歩を待ち望む「刮目相待」、物事が日々速いスピードで進歩する「日進月歩」などがあります。

呉下阿蒙の難易度

「呉下阿蒙」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”阿”と”蒙”は準1級で大学一般レベル、”呉”は準2級で高校レベル、”下”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

呉下阿蒙のまとめ

「呉下阿蒙」は進歩がない人や無学の喩えです。中国の故事によると、若い時は無学だった人と久しぶりに再会したら教養がとても高くなっていた事に驚き誕生した言葉が「呉下阿蒙」です。そこから、無学な人を蔑む際に使う形が多くなります。

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