【千緒万端(せんしょばんたん)】の意味と例文と使い方

千緒万端(せんしょばんたん)

「千緒万端」とは「物事がごたごたして複雑な事」です。例えば、都会を歩くとそのあまりにも多い人混みに驚く事があると思います。同じような人もいれば、個性的な人もいて、人種や世代も千差万別ですよね。そんな状況を「千緒万端」と表現するのです。それでは解説に入らせて頂きます。

千緒万端の意味

「千緒万端」の意味は以下の通りです。
・沢山の事柄。物事がごたごたして複雑。
・様々な物事が入り混じっている。
・雑種雑多な事柄。
”千緒”は「多くの事柄」「あらゆる事柄」、”万端”は「全ての事柄」「あらゆる事柄」、”千”と”万”は数字の千と万で数が多いとなり、”緒”と”端”は物事の始めという意味があります。これらから、物事があまりにも多い事で、それが転じて、様々な物事が入り混じっていて混乱しているような状態が「千緒万端」です。要するに、色んな種類が入り混じる、様々な者がごちゃ混ぜになっている感じです。良く言えば個性的や都会的であり、悪く言うならまとまりがなく不統一となります。

千緒万端の由来・出典

「千緒万端」の由来は、中国晋時代の歴史書「晋書」の「陶侃伝」です。

千緒万端の類義語・同義語

「千緒万端」の類義語には、「千端万緒」「千条万緒」「千頭万緒」などが挙げられます。

千緒万端の使い方・例文

例文1.渋谷や新宿を歩くと、人種に世代に服装など千緒万端な人達ばかりなので初めて歩いた時は衝撃を受けた。
例文2.日本はアニメ大国で作品ジャンルも千緒万端なので、今後もアニメ映画がランキング上位を独占する事になるが、果たしてそれにどれだけの価値があるのか分からない。
例文3.サッカーというスポーツは時代に応じて戦術も進化するが、それを破るのは千緒万端な選手群から突如出現したスーパースターで、そしてまた戦術も対応して進化するという繰り返しである。
例文4.休日に一人、巨大ホームセンターで千緒万端な商品を眺めていると、あっという間に時間が経過した事に気が付き、これだけ客も物も溢れているのに自分は孤独なんだと思わせてくれるから二度と来店しないと誓った。
例文5.スマホを使えば一瞬で千緒万端な情報を入手できるのに、若者が好むのは皆と同じ服装に音楽にアニメという右へ倣えの追随ばかりで、それならスマホがない世界の方が自由であったのは皮肉だ。
サッカーやアニメにスマホなどで「千緒万端」を使った例文です。

千緒万端の会話例

男性
ただいまー。ところで荷物届いている?
女性
さっき届けに来たよ。って言うか、また何買ったの?
男性
これは世界の調味料セット! これで料理の腕前がまた上がるよ。
女性
料理は「さしすせそ」だけの味付けで十分じゃない。それでも千緒万端で美味しくなるよ。

夫が調味料セットを購入した事から、料理の味付けについて会話をしています。

千緒万端の豆知識

「千緒万端」から”複雑”に関する四字熟語は、種々込み入っている複雑な事の「紆余曲折」、国境が複雑に入り組んだ国同士が牽制し合う「犬牙相制」、複雑ではなくすっきり分かりやすい「単純明快」、物事が複雑に入り組み解決しがたい喩え「盤根錯節」などがあります。

千緒万端の難易度

「千緒万端」は漢字検定準2級から10級相当の文字組み合わせで、”緒”は準2級で高校レベル、”端”は4級で中学レベル、”万”は9級、”千”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

千緒万端のまとめ

「千緒万端」は物事が複雑である事から、雑多な事柄や物事が多く入り混じっているという意味です。平たく言うなら種類が豊富やごちゃ混ぜというニュアンスに近く、都会の雑多なビル群や大勢の人々などの喩えとしても用いられます。

千緒万端で様々なものが入り混じっている。
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