一日之長(いちじつのちょう)
「一日之長」とは「1日早く生まれた事から、年齢が僅かに年上や仕事などの知識や経験が少しばかり上回っている喩え」です。僅か1日の違いとするか、その1日の違いが大きいとするかはそれぞれの判断によりますが、大抵は先輩の方が謙遜気味に使うのでそれを否定して褒め称えるように接するのが無難です。
一日之長の意味
「一日之長」の意味は以下の通りです。
・年齢が1日分年上な事。
・仕事などで相手よりも少しだけ経験があり、能力や技能が僅かに優れているという喩え。
・「いちにちのちょう」とも読み、「一日の長」も同義。
”長”は「長い」「大きい」などの他に「優れている」「年上」「一番上」といった意味もあり、そこから、相手よりも1日でも先に生まれたや仕事などの経験が勝っている先輩として、年上や仕事能力が高い喩えとして使われるのが「一日之長」です。正確には先輩の方がやや謙遜して自ら使う方が多く、年下や後輩が使用すると嫌味であり悪意があるとも勘繰れます。
一日之長の由来・出典
「一日之長」の由来は中国春秋時代の思想家・孔子の言行をまとめた経書「論語」の先進となります。
一日之長の類義語・同義語
「一日之長」の類義語には、「亀の甲より年の功」「年季の差」「老馬之智」などが挙げられます。
一日之長の使い方・例文
例文1.バイト先では無駄に一日之長として一目置かれているが、新しく入る新人も1週間もしないでタメ口となるので、内心は全員がバカにしているのを分かっている。
例文2.我が社は一日之長だろうと派遣の新人だろうと全員が一律同一賃金だが、社長の愛人秘書だけは給料が誰よりも高くて呆れる。
例文3.元柔道部の母親と口喧嘩をして、頭に来たので「親なんて一日之長なだけで偉そうにするな」と言ったら、その瞬間に世界を制した右手のビンタを食らい、椅子から崩れ落ちた後は記憶を失った。
例文4.政治世界は今でも一日之長がまかり通り、どんなに無名でも選挙の当選回数が多いほど偉そうな顔をするが、カルト教団にはとても甘い顔をして互いに悪巧みを企てる。
例文5.後輩に謙遜して「一日之長なだけだよ」と言ったが、その後輩はあまりにも優秀で今では逆に仕事を教えてもらう立場だ。
「一日之長」を使った例文となります。
一日之長の会話例
職場の同僚男女の会話です。女性よりも男性の方が先輩だが、年齢は年下という内容です。
一日之長の豆知識
「一日之長」から”一日”に関する四字熟語は、一日顔を合わせないだけで三年も過ぎたような「一日三秋」、僅かな時間やほんの一日「一日片時」、一日中や始終「四六時中」などがあります。
一日之長の難易度
「一日之長」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”之”は準1級で大学一般レベル、”長”は9級、”一”と”日”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。
一日之長のまとめ
「一日之長」は年齢が1日分年上な先輩や仕事などの経験が多い事です。相手よりも僅かばかり優れている際に使う四字熟語で、そこまで大きな差はないと謙遜気味な使い方が一般的です。