【二束三文(にそくさんもん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

二束三文(にそくさんもん)

今更説明不要な有名すぎる四字熟語が「二束三文」です。最近ではコロナ渦による、マスク価格高騰からの転売規制などで暴落の際に、ニュースやネットなどで「二束三文」という言葉が何度も登場しました。値段が安い、安く買い叩かれるという意味は知っていても、由来や経緯などは知らないと思うので、その辺りを絡めた解説となります。

二束三文の意味

「二束三文」の意味は以下の通りです。
・数が多くても値段が非常に安い。利益なしで販売する際の喩え。
・非常に安く売る事。儲けがない売買。売り手側の儲けが少ない投げ売り状態。
・「二足三文」も同義となる。
”二束”は”二足”ともなり「草履の二束分」で、”三文”は”文”が低いお金単位なので「三文程度の僅かなお金」となります。そこから、非常に安い、売手が売却をしても儲けがない、投げ売り状態などを意味する言葉として現在でも頻繁に使用されています。また、本来は”一束”で販売する草履を、”二束”にする事から、数を多くお得にしても、”三文”という安値でしか売却できない苦悩を物語っています。現代で喩えると、「赤字覚悟の大安売り」や「閉店セール」といった扱いだと理解できます。

二束三文の由来・出典

「二束三文」の由来は、江戸時代に藁で作られた丈夫な「金剛草履」が二足で三文という安売り価格で売られていたからと伝えられています。

二束三文の類義語・同義語

「二束三文」の類義語には、「粗製濫造」「粗製乱造」などが挙げられます。

二束三文の使い方・例文

例文1.コロナでのマスク転売で大儲けを狙っていたが、高値売却を目論んでいたら政府からの規制が入り、今では二束三文でも売れない状況で大損した。
例文2.文庫本などを近所の某大手中古本買取店に持ち込んだら、一冊10円程度で思いっきり買い叩かれ二束三文で投げ売った。
例文3.いずれは二束三文の価値にしかならないと分かっているが、フィギュア集めは止められない。
例文4.先祖代々の土地も、今では二束三文にもならない。どうせなら、都会の一等地を相続したかった。
例文5.町内の廃品回収を手伝うと、二束三文にもならない家電から、お宝的な骨董品らしきものまで、様々なものが捨てられていると気が付かされた。

二束三文という言葉は決して前向きで肯定される意味ではないので、マイナスで使われる事が多いですね。

二束三文の会話例

男性
骨董品や昭和の家電などを集めてるのが好きって聞いたんですが、本当ですか?
女性
はい。現在にはないデザインですし、数が少ないので見掛けたら欲しくなります。
男性
そういうのって、今後はさらに価値が上がりそうだよね。
女性
そう願いたいですけど、二束三文で買い叩かれるのが殆どで完全な趣味の世界です。

骨董品やレトロな品物を集める人が自虐的に二束三文という言葉を使っている会話例でした。

二束三文の豆知識

「二束三文」以外で”二”と”三”の両方の数字が使われる四字熟語には「無二無三」「二人三脚」があります。”二”または”三”が使われるのは多数存在しますが、代表的なのは「一石二鳥」「二者択一」「再三再四」「三位一体」「万歳三唱」「三日天下」「三三五五」「三日坊主」などです。

二束三文の難易度

「二束三文」は漢字検定7級から10級相当で、小学校中学年から低学年レベルの容易な四字熟語となります。

二束三文のまとめ

「二束三文」は、数が多くても価格が非常に安い、儲けが全く無いや少ない売買、投げ売り、叩き売りなどを意味する四字熟語です。お店としては赤字覚悟でも売却する状態であり、お客は安く購入できるので運が良いともなりますが、欲しい商品でなければ無意味です。現在でも「二束三文」は頻繁に使用されている事から、日常生活に深く根付いた四字熟語の代表となっています。

価値がなく二束三文にしかならない
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