【吉凶禍福(きっきょうかふく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

吉凶禍福(きっきょうかふく)

「若い時の苦労は買ってでもせよ」という有名な諺があります。若い時の苦労は貴重であり、年取った時の財産や経験になるという大変有り難いものですが、最近はこれを真に受ける人は少ないと思います。若い時は楽をしたいですし、一攫千金を狙いたいですし、何よりも、現在の日本は年を取ったら経済状況からさらに苦労が目に見えるからです。こんな風に考えていると、偉大な先人達から注意をされそうですが、その一方で良い事も悪い事もバランスで「明けない夜はない」という名言もあります。良い事の後には悪い事、悪い事の後には良い事が待っているなら、万人が平等です。そんな風に思える「吉凶禍福」についての解説となります。

吉凶禍福の意味

「吉凶禍福」の意味は以下の通りです。
・幸いと災い。幸福と不幸。良い事と悪い事。
・目出度い事と不吉な事。
・運や縁起などの良し悪し。
・諺「吉凶は糾える縄の如し」「禍福は糾える縄の如し」も同義となる。
”吉凶”は「良い事と悪い事」「運や縁起の良し悪し」、”禍福”は「災難と幸福」「災いと幸い」となり、どちらも同じ様な意味の言葉を繰り返して、幸いと災いめいた事を強調しています。人生は良い事と悪い事の繰り返しと言うように、どちらも同じぐらいあるものです。どんなにお金持ちで幸せそうな人でも、家庭トラブルを抱えていたりと、その実情は他人からは窺えません。ですから、突き詰めると万人は「吉凶禍福」となるのでしょう。成功者の多くも過去には大ピンチに陥ったり、逆境から努力をして這い上がるものです。幸福と不幸がセットだと思えば、現在苦労している人も次は良い事が待っていると奮起できます。そんな事からも「吉凶禍福」は、運や縁起めいた言葉としても信じられています。

吉凶禍福の由来・出典

「吉凶禍福」の由来は、残念ながら不明です。仮に諺「禍福は糾える縄の如し」を由来とするなら、中国前漢時代の歴史書「史記」の「南越伝」となります。

吉凶禍福の類義語・同義語

「吉凶禍福」の類義語には、「男時女時」「栄枯盛衰」などが挙げられます。四字熟語以外では「幸不幸」「天国と地獄」「ピンキリ」等となります。

吉凶禍福の使い方・例文

例文1.人生とは吉凶禍福の繰り返しだ。
例文2.面白いドラマは吉凶禍福が次々と起こるので、視聴者を飽きさせない。
例文3.吉凶禍福と人は言うけれど、本当に人生のどん底でもがいている人に気安く言えない。
例文4.結婚をしたいと姉に相談したら、吉凶禍福に耐えられると真顔で詰問された。
例文5.コロナが落ちつき始め、再びお客が観光地に戻り始めたら、今度は第三波がやってきて、まさに吉凶禍福だと実感したところだ。
コロナや人生などに「吉凶禍福」を使った例文となります。

吉凶禍福の会話例

男性
最近、課長から怒られてばかりな気がするんだけど…。
女性
気のせいですよ。先週は私も注意されましたよ。
男性
そうかなー? あの人、俺だけ特に嫌っていない?
女性
そんな事ないです。吉凶禍福って言うじゃないですか? 今は悪いサイクルなんですよ。そろそろ、良いサイクルに入って、課長から毎日褒められますよ。

職場の同僚男女の会話風景です。男性は課長から自分だけ妙に注意されると気にしていて、女性が必死にフォローしています。

吉凶禍福の豆知識

「吉凶禍福」の”禍福”を使った四字熟語は、幸せと災いが交互に訪れる「禍福倚伏」、幸せと災いは縄のように互い違いでやってくる「禍福糾纆」があります。”吉凶”を使ったのは「吉凶禍福」だけで、四字熟語以外では「吉凶の兆し」などがあります。

吉凶禍福の難易度

「吉凶禍福」は漢字検定準2級から8級相当の文字組み合わせで、”禍”は準2級で高校レベル、”吉”は3級で中学卒業レベル、”凶”は4級で中学レベル、”福”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

吉凶禍福のまとめ

「吉凶禍福」は、幸福と不幸や良い事と悪い事といった意味です。どちらか一方の意味ではなく、双方を兼ね備えていて、それを強調しています。人生や世の中は良い事だけでなく悪い事もあります。そのバランス配分は神のみぞ知る所でしょうが、悪い事だらけと悲観すれば良い事がやってきますし、逆に良い事だらけだと余裕を見せると、今度は悪い事が訪れます。そんな事を「吉凶禍福」と表現します。

吉凶禍福の差が大きい
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