【偕老同穴(かいろうどうけつ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

偕老同穴(かいろうどうけつ)

昨今は離婚や生涯未婚が急増と危惧されていますが、結婚の素晴らしさを象徴する四字熟語が「偕老同穴」ではないでしょうか。もちろん独身には独身の良さもありますが、結婚をして夫婦がいつまでも仲良く暮らすのも良い事ですよね。美しき夫婦愛を表現した「偕老同穴」について解説となります。

偕老同穴の意味

「偕老同穴」の意味は以下の通りです。
・夫婦の愛情や信頼関係がとても固い。仲睦まじい夫婦やその姿。
・夫婦が仲良く年齢を重ね死後は同じ墓に入る事から、それほど固い契りを結ぶ喩え。
・深海に生息する体長数十センチの海綿動物(カイロウドウケツ科)で、体腔内に雌雄一対のドウケツエビが一緒に棲み付く事から名付けられた。
・諺「偕老同穴の契り」「同穴の契り」も同義となる。

”偕老”は「生きている時は共に老いて」、”同穴”は「死後は同じ穴(墓)で眠る」となります。それを踏まえて、「偕老同穴」は主に二つの意味があり、一つは前述した夫婦の愛情や固い契りで、もう一つが深海で生活する海綿動物の総称です。一見するとまったく違うもの同士ですが、元々は前者である中国の詩経を由来とする夫婦愛の「偕老同穴」が先で、漢詩を訳した「生きてはともに老い、死んでは同じ墓に葬られる」が海綿動物・カイロウドウケツのドウケツエビが雌雄一対で生息する姿から、用いられるようになりました。よって、単なる仲の良い夫婦でも現在は喩えとして問題ないですが、本来の意味では、正に一心同体である仲良い夫婦が最後まで添い遂げ、死後は同じ墓に眠るとする方が正しいのではないでしょうか。

偕老同穴の由来・出典

「偕老同穴」の由来は、中国最古の詩集「詩経」となります。”偕老”は「詩経」の「邶風・撃鼓」、”同穴”は「詩経」の「王風・大車」からです。

偕老同穴の類義語・同義語

「偕老同穴」の類義語には、「比翼連理」「挙案斉眉」などが挙げられます。

偕老同穴の使い方・例文

例文1.我が家の両親は未だにとても仲が良く、偕老同穴を地で行く二人だと兄弟でいつも話している。
例文2.偕老同穴の様な夫婦になるのが将来の夢だが、その前に彼女を見つけるのが先決だ。
例文3.少子化や離婚のニュースが流れると、妻と目を合わせて私達だけ幸せでこのまま偕老同穴な日々を送って良いのか、何だか申し訳なくなる。
例文4.男性芸能人が年齢差離れた彼女と結婚すると、同僚女性は「偕老同穴になるのはまず無理。数年で離婚」と冷たくあしらう。
例文5.若い時は偕老同穴となれるパートナーを必死で探したが、現在は愛犬と一緒に埋葬される事が唯一の願いだ。
結婚の幸せ、パートナー探しを「偕老同穴」とした例文となります。

偕老同穴の会話例

男性
あれ、今日って…。結婚記念日だよ。
女性
それはおめでとうございます。
男性
良くないよ。すっかり忘れていて、プレゼントも買い忘れた…。どうしよう。
女性
偕老同穴な夫婦を目指すなら、急いでプレゼントを買うしかないですね。でも、私は今日の残業は代わらないですよ用事があるので。

職場にて同僚男女が、結婚記念日を忘れていたという会話を繰り広げています。

偕老同穴の豆知識

「偕老同穴」の様な夫婦に関係する四字熟語は、「夫唱婦随」「比翼連理」「栄諧伉儷」「関関雎鳩」などがあります。諺や慣用句では、「悪妻は百年の不作」「姉女房は身代の薬」「家に無くてならぬものは上がり框と女房」「家貧しくして良妻を思う」など多数あります。有名どころでは、「良妻賢母」「糟糠の妻」「似た者夫婦」「夫婦喧嘩は犬も食わない」といったところです。

偕老同穴の難易度

「偕老同穴」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”偕”は1級で大学一般レベル、残り三文字は5級から9級で小学校で習う四字熟語となります。

偕老同穴のまとめ

「偕老同穴」は、夫婦愛や夫婦の固い契りについての四字熟語となります。若い時から老いるまで仲睦まじく、最後は亡くなっても同じ墓に埋葬されるという永遠の愛を表現しています。また、深海の生物「カイロウドウケツ」の事でもあり、この生物の体腔内ではドウケツエビが雌雄一対となって棲みつく事でも知られています。

偕老同穴で死ぬまで仲の良い夫婦
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