【体元居正(たいげんきょせい)】の意味と例文と使い方

体元居正(たいげんきょせい)

「体元居正」とは「善徳を心に留めて正しい立場に身を置く事」です。正直なところ、かなり難解な四字熟語の一つだと思いますが、良い行いは状況や境遇に左右されると解釈すれば、少し分かりやすくなるのではないでしょうか。それでは解説に入らせて頂きます。

体元居正の意味

「体元居正」の意味は以下の通りです。
・善や徳を身に付けて常に正しい立場に身を置く。
・善徳を心に留めて正しい立場に身を置く。
・「元を体して正に居る」(げんをたいしてせいにおる)と訓読する。
”体元”は「善徳を身に付ける」「道義的に良い行いを覚える」、”居正”は「正しい立場に身を置く」で、道義上において正しい立場にいる事が「体元居正」です。拡大解釈をするなら、自身が誤った立場にいると物事をきちんと判断できないので、体も心も道義的に良い立場に身を置く事で物事を正しく判断できるという事に繋がるのです。よって、端的に言うなら真面目・正直・実直・誠実・堅実・常識・清潔といった言葉とも非常に近いものがあります。使い方としては、「体元居正を保つ」「体元居正を守る」「体元居正を貫く」といった風になります。

体元居正の由来・出典

「体元居正」の由来は、中国春秋時代の思想家・孔子の歴史書「春秋」の注釈書「春秋左氏伝」の隠公元年・杜注となります。

体元居正の類義語・同義語

「体元居正」の類義語には、「方正謹厳」などが挙げられます。

体元居正の使い方・例文

例文1.不正をしても尚、会見では反省するどころか開き直って悪態をつくのだから、政治家に体元居正を求める事自体が間違いなのだ。
例文2.子供が生まれたので、今後は体元居正を守り真っ当な人間になろうと誓った。
例文3.ネット上は自分が正しいと思い込む体元居正な人で溢れているが、相手の立場を考慮する余裕は一切なく断罪で全てを片付けるから厄介だ。
例文4.全国各地の有名な神社に出掛けるのが楽しみになったら、いつからか体元居正な心が芽生えてきた。
例文5.コロナ禍で人々の心が少しでも体元居正を保てるようになれば、苦境から得るものもあったのではないのか。
道義的な正しさや誠実といった意味合いで「体元居正」を使った例文です。

体元居正の会話例

男性
ただいまー。ごめん遅くなった。
女性
あなた、今日は早く帰ってくるって約束したのに、また遊んできたでしょう。
男性
だから、ごめんって言ってるじゃん。仕事のストレスで帰りに少し遊ぶぐらいいいだろ!
女性
子供がこれから生まれてくるのに…。あなたには体元居正な態度を少しはしようという気持ちがないのかしら。

仕事終わりに少しは遊びたい夫と、早く帰ってきてほしい妻の言い争いの様子です。

体元居正の豆知識

「体元居正」から良い行いである”善”や”徳”についての四字熟語は、良い行いをすれば良い報いがあり悪い行いをすれば悪い報いがある「因果応報」、善良な人や良い行いを奨励して悪者や悪い行いを懲らしめる「勧善懲悪」、賢くて善良で行いが正しい「賢良方正」、良い行いをしていれば良い結果が得られる「善因善果」などがあります。

体元居正の難易度

「体元居正」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”居”は6級で小学校高学年レベル、”体”と”元”は9級、”正”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

体元居正のまとめ

「体元居正」は善や徳という良い道義を身に付けて自らを正しい立場に置く事です。要するに、真面目であったり誠実になるには、正しい環境や状態が必要であると説いています。悪い事が横行している状況では、いくら真面目になろうとしても無理がありますよね。そんな事から、人は正しい立場に居る事も重要なのです。

体元居正な女性
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