鼓舞激励(こぶげきれい)
｢鼓舞激励｣とは｢人を励まし奮い立たせる事｣です。｢ファイト｣｢頑張れ｣｢行け｣｢負けるな｣等々、元気を無くしている人を勇気付ける言葉っていくつもありますが、それらを四字熟語で簡潔に表現すると｢鼓舞激励｣(又は｢叱咤激励｣)となるのです。言葉の力とは偉大で、それはサッカーでは本拠地であるホームではサポーターの応援が選手を後押しして勝率が高くなり、反対にアウェイは応援が少なく勝率が低くなるほどです。それぐらい見えない力を与える｢鼓舞激励｣の解説となります。
鼓舞激励の意味
｢鼓舞激励｣の意味は以下の通りです。
・人を励まし奮い立たせる。
・大いに励まし元気付ける。
”鼓舞”は｢励まし気持ちを奮い立たせる｣｢勢い付ける｣｢鼓を打って舞わせる｣、”激励”は｢励まして奮い立たせる｣｢元気付ける｣｢奮起させる｣となり、どちらも励ましや奮い立たせるという意味なので、繰り返す事で強調しています。失敗や事故などでショックを受けている人や困っている人、或いはこれからテストなどに挑戦する人を叱咤や激励するのが｢鼓舞激励｣です。自分が元気や勇気付けるのではなく、弱っている人などに元気を注入するもので、それは意志疎通でもありやる気を促す応援や励ましとも受け取れますが、緊張をほぐしたり持っているもの以上の力を発揮してもらおうとこちらの思いを勢いとして与えているのです。即ち、とてもポジティブな気持ちからの行動で、観客がスポーツ選手に声援を送り応援するのも｢鼓舞激励｣から無意識に出てしまうのです。よって、応援･勇気づける･奨励･鞭撻･喝を入れる･慰める等の言葉とも類似となります。
鼓舞激励の由来・出典
｢鼓舞激励｣の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”鼓舞”は平安時代の歌人･大江匡房が風俗や芸能を記録した書物｢傀儡子記｣(1087年～1111年頃)、”激励”は室町時代の臨済宗の僧･絶海中津による漢詩文集｢蕉堅藁｣(1403年)などに文言が記されています。
鼓舞激励の類義語・同義語
｢鼓舞激励｣の類義語は｢叱咤激励｣、四字熟語以外では｢声援｣｢応援｣｢奨励｣｢元気付ける｣｢勇気付ける｣などが挙げられます。
鼓舞激励の使い方・例文
例文1.ストレスから仕事を退職し何か月も部屋に籠っていた時は、今になってみると相当参っていたのか、愛犬の餌催促の鳴き声ですら鼓舞激励に聞こえるほどだった。
例文2.息子の受験勉強を鼓舞激励しようと、何を思ったのか妻がヨガエクササイズを始めた。妻曰く、母親が柔軟になると息子の頭も柔軟になり記憶力が良くなるそうだが眉唾だ。
例文3.課長は営業に出掛ける前の部下を鼓舞激励するが、成果を上げずに戻ってきた部下を徹底的に人格否定の様に罵倒するという二重人格なやり方を未だに続けている。
例文4.隣の綺麗なお姉さんに鼓舞激励される夢のような妄想が頭を支配して、妻の話は少しも耳に入ってこない悲しき中年男性。
例文5.東京五輪が開催される様に関係者を鼓舞激励したいが、差別者ばかりが役員として支配する団体を応援するのはどうも腑に落ちないし、何よりも利権塗れで権力者には大金が転がり込み、尚且つ現実的にはワクチン接種も大会前に国民や世界規模でままならないので、これらの諸問題を一体どう解決するのだろう。
様々な応援の形で｢鼓舞激励｣を使った例文です。
鼓舞激励の会話例
職場の同僚男女による会話です。男性の息子が大学受験を控えて、そこから子供の成長は早いと中高年の二人が感慨深くなっています。
鼓舞激励の豆知識
最近は動画の生配信でも投げ銭という機能があり、応援している配信者にお金を寄付できるようなシステムが備わっています。これも一種の｢鼓舞激励｣の形が現代版に変化した表れな様なものです。今は見ず知らずの他人を気軽に応援できますが、それにはお金が掛かるのは皮肉以外の何ものでもないですが、当事者同士はそんな関係を喜んでいるから尚更理解不能です。
鼓舞激励の難易度
｢鼓舞激励｣は漢字検定3級から5級相当の文字組み合わせで、”励”は3級で中学卒業レベル、”鼓”と”舞”は4級で中学レベル、”激”は5級で小学校高学年レベルの四字熟語となります。
鼓舞激励のまとめ
｢鼓舞激励｣は失敗して元気を無くしている人やテスト前で緊張している人などに対して、励まして元気付けたり勢いを与える事です。要するに人を励まし奮い立たせる事なので、スポーツ選手やアイドルに声援や掛け声を送るのも｢鼓舞激励｣となります。
