【音信不通(おんしんふつう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

音信不通(おんしんふつう)

不謹慎ですが、かつては誘拐事件の定番キーワードと言えば「音信不通」や「消息不明」でした。今でも2時間サスペンスドラマでは、この単語が刑事などから何度も口にされますよね。しかし、昨今は誘拐よりも詐欺の方が手軽で確実という事もあり、あまり使用されなくなっています。それから、携帯やスマホが爆発的に普及した事で、家族や恋人と短時間でも連絡が取れない時は心配のあまり「音信不通」と使われる様になり、現在はこれが一番多い表現だと思います。そんな「音信不通」について詳しく調べてみました。

音信不通の意味

「音信不通」の意味は以下の通りです。
・消息が途絶えて連絡が取れない。安否確認ができない。
・電話や手紙などで連絡がない。訪れや便りがない状態。
・「いんしんふつう」とも読む。
”音信”は「便り」「通信」「手紙などの連絡」、”不通”は「通じない」「便りや行き来がない」「縁を切る」となり、家族や友人や仕事関係者などと連絡が取れない状態や、電話や手紙が(短期間や長期間)なく安否が不明といった事が「音信不通」です。ですから、前述した様に、かつては誘拐事件で犯人や被害者と連絡が取れないのも所謂「音信不通」だったのです。昨今は事件で使われるなら誘拐よりも登山者の行方不明、仲違いなどで連絡が取れなくなった恋人や友人同士、台風などの自然災害で停電状態、短期間でもLINEやメールを無視する事などを「音信不通」と呼ぶ傾向が強くなっています。要するに、事件や事故は当然ながら、それ以外でも単に面倒であったり、スマホのバッテリー切れなどの事情で連絡をしないと、心配する相手は「音信不通」ではないかと疑うのです。実際の使い方としては、「音信不通の友人」「音信不通の状態」といった風になります。

音信不通の由来・出典

「音信不通」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、室町時代後期の蘇軾詩の注釈書「四河入海」などに文言が記されています。

音信不通の類義語・同義語

「音信不通」の類義語には、「消息不明」「行方不明」「所在不明」などが挙げられます。

音信不通の使い方・例文

例文1.10年近く音信不通だった兄が、金髪に整形してまるで往年のロックスター姿で帰ってきた時は家族一同が驚きを隠せなかった。
例文2.子供達が数時間連絡をしないだけで音信不通と騒ぐ妻は、当然ながらモンスターペアレントとクレーマーも兼任する完全なる自己中心主義である。
例文3.些細なケンカから音信不通となった友人とバッタリ再会した時は互いに気まずくて、他人のふりをした。
例文4.彼女は短時間でも音信不通となるのを極端に嫌うが、単に私を信用していないだけなんだと気が付いた。
例文5.便利になった現在でも台風や集中豪雨といった自然災害に巻き込まれると、停電で音信不通となる可能性が高くなる。
連絡取れない状態を「音信不通」とした例文となります。

音信不通の会話例

男性
どうしたの昨日は。ずっと音信不通だったよね?
女性
ごめん、スマホが急に壊れて連絡が出来なくなったの!
男性
そうか、じゃあ仕方がないね。でも、スマホ2台持ってない?
女性
片方は仕事用で、そっちにはあなたの連絡先が入っていないの。

「音信不通」で前日は連絡が取れなくなった恋人同士の会話やり取りです。

音信不通の豆知識

「音信不通」から手紙の歴史についての簡単な解説となります。手紙は古代中国・漢時代に木札に書いたのは始まりとされ、それを日本では木簡と呼びました。6世紀になると紙に書く方法が伝わり、平安時代頃から本格的に普及していきます。江戸時代では長い手紙が使用される様になり、その後は葉書も浸透していきます。大きく変わったのは、1980年代のFAX登場で、その後は1990年代にインターネットが普及し始めると手紙利用者が減少していく事になり、現在はメールやLINEにSNSなどが手紙に変わる連絡手段となりつつあります。

音信不通の難易度

「音信不通」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”信”と”不”は7級で小学校中学年レベル、”通”は9級、”音”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

音信不通のまとめ

「音信不通」とは消息や安否の確認ができない状態の事ですが、最近はスマホが普及して電話や手紙以外にもLINEやTwitterなどのSNSを連絡手段とする場合も多いので、若い世代ほど短時間でも連絡が取れないだけで過剰に「音信不通」とする向きがあります。

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