雲竜井蛙(うんしゅうせいあ)
昔から竜は伝説の生き物として広く知られており、中国では「神獣」「皇帝のシンボル」として扱われています。竜と聞けば、神聖さ・力強さをイメージする人が多いかと思います。では、蛙だといかがでしょうか。蛙は実在しており、誰もが見たことのある生き物だと思いますが、彼らを見て「神々しさ・力強さ」を感じる人などいませんよね。もし、竜と蛙が真正面から対峙するとどうなるでしょうか。戦わずとも両者の力の差は目に見えていますよね。
今回はそんな、「両者の力量に差があり過ぎること」を表す、「雲竜井蛙」という言葉について解説したいと思います。
雲竜井蛙の意味
「雲竜井蛙」は、地位や実力の差が非常に大きいことを意味します。
雲竜井蛙の由来・出典
「雲竜」とは、大空を翔び回る竜を表し、「井蛙」は、狭い井戸の中を泳ぐカエルを表します。両者には明らかな力や地位の差があるというところから、「雲竜井蛙」は、地位や実力の差が大きいというい意味になりました。
雲竜井蛙の類義語・同義語
「雲竜井蛙」の類義語には、「雲泥の差」「月とスッポン」「提灯に釣り鐘」「雲壌月鼈」などが挙げられます。
雲竜井蛙の使い方・例文
例文1.一組と二組では数学のテストの平均点が雲竜井蛙だ。
例文2.雲竜井蛙ほどあった身長差も、今ではほとんど変わらなくなった。
例文3.雲竜井蛙だと思っていた彼との実力差も、意外と拮抗していることに気がついた。
例文4.雲竜井蛙だと油断する彼女に一泡吹かせてやろう。
例文5.毎日の小さな努力でも、数年後には雲竜井蛙ほどの差を生むだろう。
何事もコツコツと続けることが成功の秘訣です。
雲竜井蛙の会話例
「量より質」とは言いますが、自分に合った質の高い練習法などは、かなりの量の鍛錬があってこそ見つかる物です。
雲竜井蛙の豆知識
沖縄では現在も、中国のように「竜」を神聖なものとして信仰しており、首里城の装飾にも竜のデザインが織り込まれています。
雲竜井蛙の難易度
「雲竜井蛙」は、漢字検定で言えば準一級レベルの非常に難易度の高い四字熟語です。
雲竜井蛙のまとめ
今回は、「地位や実力の差が極めて大きい様子」を表す、「雲竜井蛙」という四字熟語について解説しました。
日常であまり聞くことはなく、どちらかといえば「天と地の差」や「雲泥の差」という類義語の方が使われがちです。漢字検定においても準一級レベルということで、目にする機会もあまりないかもしれませんが、多くの言葉を知っておいて損をすることなどありません。雲竜井蛙のような大差も、初めは極小で、それが積み重なって生まれるものです。周囲と雲竜井蛙のような差をつけるには、毎日コツコツと積み上げていきましょう。