【鎧袖一触(がいしゅういっしょく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

鎧袖一触(がいしゅういっしょく)

四字熟語に詳しい方なら察しがつくでしょうが、”鎧”に関する言葉は非常に稀ですよね。「鎧袖一触」しか存在しないと言っても、強ち間違いではないほどです。厳密にはいくつかあるかも知れませんが、それぐらい「鎧袖一触」は貴重なのです。それだけに覚えて損はありませんし、何より今でも使い勝手の良い言葉となっています。特に他人には負けない自分だけの特技などを持っているなら、喩えとして日常会話で使ってみてはどうでしょうか? それでは解説に入らせて頂きます。

鎧袖一触の意味

「鎧袖一触」の意味は以下の通りです。
・簡単に相手を打ち負かす。実力差から圧倒する事。
・鎧の袖に触れただけで敵が倒れる事から、刀が不要なほど相手を圧倒した強さの喩え。
・鎧の袖で一触れする。一回で払いのける。
”鎧袖”は「鎧の袖」「鎧で払いのける」、”一触”は「一度触れる」「少し触る」となり、鎧の袖に少し触れただけでも敵を倒すという意味になります。戦において、少し触っただけで敵を倒すというのは、圧倒的な力の差があるので、そこから圧勝・無類の強さ・完勝・楽勝とも解釈が可能です。現在は戦などはないので、スポーツや仕事、或いは何かの競争などで相手を圧倒する強さの喩えで使われています。その例として、「鎧袖一触の大勝利」「鎧袖一触の強さ」といった使い方が多くなります。

鎧袖一触の由来・出典

「鎧袖一触」の由来は、江戸時代後期の歴史家・頼山陽による史書「日本外史」の「二」となります。

鎧袖一触の類義語・同義語

「鎧袖一触」の類義語には、「完全勝利」「強大無比」「横綱相撲」などが挙げられます。

鎧袖一触の使い方・例文

例文1.子供の頃は体が弱く両親が心配していたが、今では声優として成功を収め、他にライバルはいない鎧袖一触と言っても過言ではない実力の持ち主になった。
例文2.ゲームという仮想世界では鎧袖一触で敵無しだが、逆に街を歩けば不良から標的として小遣いを狙われる獲物に変貌する。
例文3.何年間も筋トレをしてきたがプロテインは摂取していなかったので、始めて半年ぐらいの新人に鎧袖一触される程の弱小レベルで我ながら情けない。
例文4.格闘技ではチャンピオンを鎧袖一触するイキの良い新人が出現する瞬間がいちばん興奮する。
例文5.かつてのバルセロナはそれこそメッシを筆頭に鎧袖一触と呼べる実力で並み居る強豪チームを圧倒したが、現在はその面影が年々無くなっている。
圧倒や圧勝という意味で「鎧袖一触」を使った例文となります。

鎧袖一触の会話例

男性
今日も勝ったね、川崎フロンターレ!
女性
もう圧勝。横綱相撲や鎧袖一触と呼べる強さ!
男性
でも、どうして今季はこんなに調子がいいんだろう?
女性
選手の質もあるけど、チームとしての一体感じゃない。私が日本代表の監督なら海外組に拘らず、代表メンバー全員をフロンターレの選手にするけどな。

男女2人がJ1・川崎フロンターレの強さについて会話を繰り広げます。

鎧袖一触の豆知識

「鎧袖一触」から”鎧”についての簡単な解説となります。鎧は剣などからの攻撃から体を守る武具で、頭を守るのは兜です。材料は革や鉄で、頑丈な反面で重さや熱さがネックとされています。日本の場合は戦国武将が纏う派手で存在感があるものが有名で、中国の鎧は日本に良く似ていますが、当初は木や革を材料として作られていました。将校など上の者は軽い鎧や顔を見せるタイプが多かったようです。西洋では時代によっても違いますが、最も有名なものはアーマータイプの全身を鋼鉄で覆うものです。これは日中の鎧よりも頑丈で刀剣などを完全に防げますが、重さと熱中症リスクが高まり、次第に軽いタイプの鎧が主流となっていきます。

鎧袖一触の難易度

「鎧袖一触」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”鎧”は準1級で大学一般レベル、”袖”は2級で高校卒業レベル、”触”は4級で中学レベル、”一”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

鎧袖一触のまとめ

「鎧袖一触」は鎧の袖に触っただけで敵を倒す事から、相手を圧倒する強さの喩えとなります。要は、それぐらい自分と相手では実力差があり、完勝や圧勝といった言葉とほぼ同じ意味合いになります。本来は戦で使うのが望ましい言葉ですが、現在は必然的に格闘技やスポーツなどで用いられる事が多いです。

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