【赤手空拳(せきしゅくうけん)】の意味と例文と使い方

赤手空拳(せきしゅくうけん)

「赤手空拳」とは「武器を持たずに立ち向かう事から、助けがなくても自力で物事にあたる」という意味です。一人で大勢の敵を相手にするような場面を想像してしまう言葉ですが、それぐらいに正々堂々として己だけで勝負に挑む気持ちの強さを感じさせます。何より、由来とされるのが日本でもお馴染みの「西遊記」なので、どこか親近感を覚える人も多いと思います。そんな「赤手空拳」について解説をさせて頂きます。

赤手空拳の意味

「赤手空拳」の意味は以下の通りです。
・手に何の武器もなく相手に向かう事。
・武器がない状態で立ち向かう事から、転じて、助けや援助がなく自力で事にあたる事。
・手に何もない状態の素手を意味する「赤手」を強めた言葉。
”赤手”は「素手」「何の武器も持たない」、”空拳”は「手に武器や道具を持っていない」「素手」「他人の助けがなく自力で事にあたる」で、どちらも素手や武器がないという意味ですが、そこに他人の助けがないという意味も追加して「赤手空拳」となります。また、素手というのは拳のみで勝負している事でもあるので、武器を持たずに正々堂々と挑むとも解釈できます。その正々堂々から、誰の力も借りずに自分だけで物事に対処する喩えとして、特に「赤手空拳」が使われます。また、逆の見方なら、他に頼れる人がいないや武器すらないとも受け取れ、身の程知らず・無意味・勇敢・無駄な抵抗といった言葉とも近いものがあります。要するに正々堂々とした勝負を挑むのは良い事だし、自力で頑張るのも素晴らしいが、その結果がどうなるかはまた別問題という事です。

赤手空拳の由来・出典

「赤手空拳」の由来は、中国明時代の白話小説「西遊記」となります。

赤手空拳の類義語・同義語

「赤手空拳」の類義語には、「徒手空拳」「無手勝流」などが挙げられます。

赤手空拳の使い方・例文

例文1.子供の頃は両親が常に仕事だったので自然と赤手空拳が身に付き、一人で物事に取り組む性格になった。
例文2.日本が米中相手に外交をするのは赤手空拳に思えてならず、この二つの大国と渡り合うには狡賢さが必要ではないのか。
例文3.筋トレばかりして体はムキムキだが、もし街中で暴漢に襲われそうになったら、迷わずに武器を使い赤手空拳なんて格好をつける余裕はない。
例文4.太平洋戦争の特攻隊は赤手空拳で大空を飛び、最後は自滅するというそれは恐ろしい作戦だ。
例文5.若い時はお金という武器がない赤手空拳でも平気だが、だんだんと老いてくるとそんな悠長な事は言ってられず、少しでも節約や倹約をして1円でも多く貯め込みたい。
武器がないや正々堂々といった意味合いで「赤手空拳」を使った例文となります。

赤手空拳の会話例

男性
またー出たの? この家はゴキブリの棲みかだよ。
女性
ほらっ。いいから早く捕まえてよ。これじゃあ、気になって夜も寝られない。
男性
ちょっと待って、赤手空拳では無理だよ。何か武器はないの? 殺虫剤とか?
女性
この前のバトルで全部使ったでしょう。あなたが無駄に使って、それでもう居ないから安心って言ったんだよ。予備のスプレーも無いから、新聞でも丸めてなんとかしてよ。

恋人同士が暮らす部屋にゴキブリが出現し、それを退治するという会話内容です。

赤手空拳の豆知識

「赤手空拳」から”独力”や”自力”に関する四字熟語は、人に頼らずに自力で行い人格や尊厳を保つ「独立自尊」、浄土真宗で自力を捨て如来の絶対他力に任せる事から、ありのままに任せる「自然法爾」、他人に頼らずに自分で行動し困難でも挫けない「独立不撓」などがあります。

赤手空拳の難易度

「赤手空拳」は漢字検定2級から10級相当の文字組み合わせで、”拳”は2級で高校卒業レベル、残り三文字は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

赤手空拳のまとめ

「赤手空拳」は”赤手”や”空拳”が武器を持たない素手という事から、武器や道具がない状態で立ち向かうという意味で、さらに援助なしで自力で事にあたる喩えともなります。要するに正々堂々としていて、自分だけで対処する意志の強さも感じさせます。一方で、身の程知らずなどのネガティブな捉え方も可能なので、その都度で使われ方も変化します。

赤手空拳、素手で立ち向かう。
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