【覆水不返(ふくすいふへん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

覆水不返(ふくすいふへん)

有名な諺に「覆水盆に返らず」があります。若い方は知らなくても、結婚や離婚を経験すると自然と覚える諺で、それを四字熟語にしたものが「覆水不返」です。案外こちらは知らない場合もあるので、この機会にぜひ覚えてみてはどうでしょうか? それでは詳しい解説をさせて頂きます。

覆水不返の意味

「覆水不返」の意味は以下の通りです。
・一度零れた水は元通りにならないので、離婚した夫婦は元通りにならない喩え。
・一度した間違いは取り返しがきかない、一度の過ちは無かった事にならない喩え。
・諺「覆水盆に返らず」の事で、「覆水収め難し」や「覆水難収」も同義となる。
離婚した夫婦は元通りにならない、また過ちを一度でもすると取返しや無かった事にはならないという喩えが「腹水不返」です。離婚した夫婦などに使用される事が多いですが、元々は離婚と過ちの2通りの意味がありました。しかし、日本では離婚夫婦の喩えとして定着している感があります。”覆水”は「容器から零れた水」、”不返”は「戻らない」「返さない」という意味があります。

覆水不返の由来・出典

「覆水不返」の由来は、古代中国の軍師・呂尚(太公望)の有名な逸話の一つです。呂尚は釣りばかりの日々だったので生活が貧しく、愛想をつかした妻が離婚を申し出た。その後、出世した呂尚に対して離婚した妻が復縁を迫ったが、覆水不返と言い放ち拒否したと伝えられています。

覆水不返の類義語・同義語

「覆水不返」の類義語には、「覆水難収」「後悔噬臍」「破鏡不照」などが挙げられます。

覆水不返の使い方・例文

例文1.酒に酔った兄は、離婚をして一人になったのが余程寂しいのか、覆水不返と呟いては焼酎を飲み干す日々だ。
例文2.初婚の時に何度謝っても覆水不返で妻は許してくれなかったので、再婚した時は繰り返さないように家族第一にすると決意している。
例文3.親友とは些細な事が切っ掛けで覆水不返となり、今では連絡をまったく取っていない。
例文4.一度の浮気でも発覚したら覆水不返となるのに、8人もの大勢との関係が発覚し仕事まで失った人がいるそうだ。
例文5.子供の頃はおもちゃを雑に扱い壊してばかりだったが、それが覆水不返だと気が付くのは大人になってからだ。
覆水不返の例文となります。

覆水不返の会話例

男性
どうしたの? 最近仕事も集中していないよね。プライベートで何かあった?
女性
実は…。離婚をしようかと…。
男性
旦那さんが浮気でもしていたの?
女性
そうなんです! 一度離婚をしたら覆水不返となるので、どっちにするか毎日悩んで、結論がでないんです。

浮気された女性が男性に離婚の相談をしている会話例です。

覆水不返の豆知識

「覆水不返」は離婚についての四字熟語ですが、反対に結婚を意味するのは「華燭之典」「月下氷人」「彩鳳随鴉」となります。中でも「月下氷人」は最も有名で、仲人を意味しています。

覆水不返の難易度

「覆水不返」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、中学校卒業から小学校低学年レベルの四字熟語となります。

覆水不返のまとめ

「覆水不返」は、一度零れた水は元通りにならない事から、離婚をした夫婦が再び一緒になる事はない、一度の間違いも取り返しがきかなく無かった事にはならないという喩えです。現代に当て嵌めるなら、「一度の失敗が命取りになる」という感じではないでしょうか。

覆水不返の夫婦
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