【行住座臥(ぎょうじゅうざが)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

行住座臥(ぎょうじゅうざが)

大人になると、ちょっとした事でその人の人間性が垣間見れてしまう事があります。箸の持ち方、座り方や話し方、公共の場での態度等々で、これらが多少出来ていなくても本来はそこまで問題視する必要はありませんが、古き良き日本人の姿を大事にしている人達からすると、行儀や躾がなってないと思ってしまうのも事実です。そんな様を言い表す四字熟語が今回の「行住座臥」となります。現代の若者なら殆ど知らないと思いますが、今後偉くなって上流階級と人付き合いをするなら覚えておくべき言葉です。それでは解説に入らせて頂きます。

行住座臥の意味

「行住座臥」の意味は以下の通りです。
・日常生活の立ち居振る舞いで、それが転じて、ふだん・日常・常々という意味。
・仏教用語で人の起居動作の根本で立ち振る舞い「四威儀」の事。
・歩く、止まる、坐る、臥すの四動作の事で、特に仏教では「四威儀」と言う。
・「ぎょうじゅざが」とも読み、”座”を”坐”に変えて「行住坐臥」とも書く。
”行”は「歩く」「行く」、住”は「留まる」「止まる」、”座”は「座る」、”臥”は「寝る」「臥す(ふ)」となり、これを仏教では人の起居動作の基本であり規律として「四威儀」と言います。元々は出家した修行者が守る規律でしたが、それが仏教国の日本では一般人にも浸透して、日常生活の振る舞いとなりました。要するに、これらの基本の振る舞いをきちんとするのが上品であり人としての最低限の作法というものです。ですから、現代で例えるなら「マナー」「礼儀」等に近く、特に公共の場での横柄な態度やマナー悪さは「行住座臥が備わっていない」となります。この様な形で、他にも「行住坐臥を忘れない」「行住坐臥を胸に刻む」「行住坐臥と共に生きる」「行住坐臥の心得」といった風に使われます。

行住座臥の由来・出典

「行住座臥」の由来は、仏教経典の「心地観経」(正式名称:大乗本生心地観経の略)となります。

行住座臥の類義語・同義語

「行住座臥」の類義語には、「挙止進退」「坐作進退」「常住坐臥」などが挙げられます。

行住座臥の使い方・例文

例文1.コロナ病棟で働き始め、毎日が非常に目まぐるしいが行住座臥だけは胸に刻んでいる。
例文2.東京は繁華街ほどゴミだらけで、行住座臥を忘れて自分の事しか考えない人ばかりだ。
例文3.子供の頃から両親に行住座臥を教えられて育てられたので、社会常識は誰よりも身に付いている。
例文4.お正月に着物を着ると、心身が引き締まり忘れかけていた行住座臥を改めて思い直す。
例文5.迷惑ユーチューバーは行住座臥の心得などは1ミリも理解していないだろう。
「行住座臥」を繁華街や迷惑ユーチューバーなどに使った例文となります。

行住座臥の会話例

男性
そろそろ、うちの子供にも躾をきちんとさせるべきかな?
女性
そうね。もう4歳だし。このまま小学校に入ったら大変よね。
男性
うん。行住座臥を意識させないとな。
女性
可愛いだけで、大事な事を教えないと本人が後で苦労するからね。そうしましょう。

幼い我が子の躾について、夫婦が話し合っています。

行住座臥の豆知識

「行住座臥」は規律に関する四字熟語なので他には、規律がない集団「烏合之衆」、規律を保つ為に部下でも処分する「泣斬馬謖」、規律を守れないと社会が乱れる「綱紀廃弛」、人が守る規律や道徳「五倫五常」といったものがあります。これらはどれも、規律を守る事が大事であると説いています。諺では躾も多く、「飴と鞭」「可愛い子には旅をさせよ」「鉄は熱いうちに打て」などはその代表となります。

行住座臥の難易度

「行住座臥」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”臥”は準1級で大学一般レベル、”座”は5級で小学校高学年レベル、”座”は8級で小学校中学年レベル、”行”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

行住座臥のまとめ

「行住座臥」は、日常の立ち居振る舞いを意味していて、要するにマナーや常識めいた態度をする様に推奨しています。立ち居振る舞いとは、歩く・止まる・座る・寝るの四動作でこれらは仏教における「四威儀」ともなります。

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