【瓜田李下(かでんりか)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

瓜田李下(かでんりか)

「瓜田李下」は難解な四字熟語の一つで、正確に理解している人は少ないと思います。しかし、「君子危うきに近寄らず」に近い意味の言葉と説明を受けると、何となく理解できそうですよね。自分の身は自分で守るという、現在何かと問われる「自己責任」ともある意味で繋がり深い四字熟語です。これだけでは少々意味も分かり辛いと思うので、そろそろ本題に入らせて頂きます。

瓜田李下の意味

「瓜田李下」の意味は以下の通りです。
・人に疑われる言動は控えるべきとする喩え。
・人に嫌疑を抱かせる言動や行為の喩え。
・逆さにした「李下瓜田」も同義。
・「瓜田に履を納れず」と「李下に冠を整えず」を合わせた言葉で疑われる事をしてはいけない教え。
”瓜田”は「瓜の畑」、”李下”は「スモモの木の下」「李下に冠を整えずの略」となり、瓜の畑では履物を直したりスモモの木の下で冠を直す様な行為をすると、果物を盗もうとしていると疑われるという事から、転じて、「人に疑われる様な行為は控えるべき」という教えや喩えとなります。要するに、世の中では些細な事からも疑惑の目を向けられてしまうので、注意して生活すべきという事です。この様な生活における注意する言葉は、「君子危うきに近寄らず」「賢人は危きを見ず」「リスク回避」なども近い意味合いとなります。実際の使い方は、「瓜田李下、」という様に読点を使う形が一般的です。

瓜田李下の由来・出典

「瓜田李下」の由来は、中国南北朝時代の詩文集「文選」の「古楽府」となります。

瓜田李下の類義語・同義語

「瓜田李下」の類義語には、「悪木盗泉」「李下之冠」などが挙げられます。

瓜田李下の使い方・例文

例文1.瓜田李下、学生時代は繁華街などをうろつかないで自宅に真っすぐ帰るのが無難だ。
例文2.風邪で仕事を休むと、瓜田李下、なぜか翌日の仕事中は何か注意されそうでモヤモヤする。
例文3.パート帰りの妻はまるでやましい事があるように、瓜田李下、急に優しくなるので不気味で不自然だ。
例文4.警察24時の番組から学んだのは、瓜田李下、夜中にウロウロしているとろくな事がない。
例文5.瓜田李下、不良や半グレと付き合っていると、知らずに警察にマークされてしまう。
疑われる行為に対して「瓜田李下」を使った例文となります。

瓜田李下の会話例

男性
まだ、一郎(息子の名前)は帰ってきてないんだって?
女性
あの子も高校生だから、偶には友達と遊んで遅くなる事もあるでしょう。
男性
そんな呑気に。もう午後8時だぞ。もし繁華街にいたら、瓜田李下、警察に非行少年って疑われるぞ。
女性
大丈夫ですよ。さっき、もう家に着くって連絡がありましたから。

高校生の息子(一郎)の帰りが遅く心配する父親と、そこまで心配していない母親の会話です。

瓜田李下の豆知識

「瓜田李下」はくだけた表現なら、揉め事に巻き込まれない為に「注意する」という感じです。そこから、「注意」に関する四字熟語は、「懇切丁寧」「思慮分別」「神経衰弱」「胆大心小」「油断大敵」などがあります。一般的には、失敗しない為や集中するという事から仕事や学業、或いは事故やケガから守る為の「注意」となりますが、「瓜田李下」は日常の些細な事からも疑われる可能性があると説いています。

瓜田李下の難易度

「瓜田李下」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”瓜”と”李”は準1級で大学一般レベル、”田”と”下”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

瓜田李下のまとめ

「瓜田李下」は、他人から疑われないように日常生活での言動や行動は注意すべきという教えの四字熟語です。元々は、瓜の畑やスモモの木の下で不審な行為をする泥棒と疑われるという意味で、そこから、自分は大丈夫だと思っても、周囲からは疑いを持たれる事があるので気を付けると解釈できます。

瓜田李下な言動は慎め
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