【猪突猛進(ちょとつもうしん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

猪突猛進(ちょとつもうしん)

「猪突猛進」とは「目標達成の為に全力で進む事」です。他の事は一切関係なく、自分だけの強い信念から勢い良く目標に向かって進んでいます。この「猪突猛進」は、歴代最高興行収入1位を記録したアニメ映画としても話題な「毀滅の刃」の登場キャラ・嘴平伊之助の有名セリフとしても知られ、小さなお子さんなどの間でも「猪突猛進」を連呼するのがブームになるほどです。そんな近年稀にみるほどブレイクした四字熟語「猪突猛進」についての解説となります。

猪突猛進の意味

「猪突猛進」の意味は以下の通りです。
・目標に向かって真っすぐに猛烈な勢いで進む様。
・猪が直線的に突進する様から転じて、目標達成に向けてがむしゃらに進む事。
・周囲の状況などは気にせず、一つの事に向かって猛烈に突き進む。
”猪突”は「猪の様に突き進む」「向こう見ずに物事を進める」、”猛進”は「勢い激しく突き進む」「猛烈に進撃する」となり、どちらも「激しく突き進む」という意味を持つ二つを合わせて上記の様な意味となります。実際の猪は直進だけでなく、右や左や旋回など目まぐるしい動きをするのですが、印象としては直進が強く残っています。それが、目標に向かって真っすぐ突き進むとして「猪突猛進」となるのです。そこから、がむしゃら・ムキになる・我を忘れる・必死・ハイテンションなどの言葉とも類似で、一つの事に打ち込む様となりますが、その猛烈さから時として仇となり、結果的には単純・後先考えない・軽率として、無謀や軽はずみな行動の際でも用いられるのが「猪突猛進」です。実際の使い方としては、「猪突猛進タイプ」「猪突猛進な性格」「猪突猛進過ぎた」といった形になります。

猪突猛進の由来・出典

「猪突猛進」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、小説家・井上靖の著書「暗い平原」(1952年)などに文言が記されています。

猪突猛進の類義語・同義語

「猪突猛進」の類義語には、「直往邁進」「匹夫之勇」などが挙げられます。

猪突猛進の使い方・例文

例文1.母親は家族が呆れるぐらいの見事な猪突猛進タイプで、特に運動会の場所取りではどこの家族よりもいい席を取るのに躍起で、早朝から校門前に並ぶほどだ。
例文2.ひと昔前は、普段は大人しいのに秋葉原に行くと猪突猛進な凶暴オタクに変貌する男が本当に多かった。
例文3.トランプ大統領などはそれこそ典型的な猪突猛進で、自分さえ良ければ後はどうなろうと知った事ではない悪漢だ。
例文4.近所のラーメン屋に入ったら、大食いチャレンジメニューに挑戦している男性の食べっぷりがあまりにも猪突猛進で、その熱気に押されて席に座らず店を出た。
例文5.結婚適齢期の男女の合コンには、必ず一人二人は猪突猛進な者がいて、その場を盛り上げようと空回りをする。
勢いある人やテンション高い人、周囲に迷惑かけている人などを「猪突猛進」とした例文です。

猪突猛進の会話例

男性
もう、いい加減に止めて寝なよ。明日も仕事なんでしょう!
女性
ダメ。あともう少しで、全部縫い終わるの。折角だから、一気に全部終わらせたいの。
男性
それも分かるけど、寝不足は体に悪いよ。本当に一度火がついたら止められない、見事なまでの猪突猛進な性格だよ。
女性
そこが私の長所でしょう。欠点でもあるけど。後1時間位で終わるから、先に寝ていて。

妻が子供の為に編み物をしているが、夢中になるあまり夜中になっても一向に止めないので、夫が心配をするという会話やり取りです。

猪突猛進の豆知識

「猪突猛進」から猪や豚や熊など獣に関係する四字熟語は、猪の様に後先考えず進む勇気ある人の「猪突豨勇」、大きな豚と蛇から残酷な人の喩えの「封豕長蛇」、世界を知らず自分が優れていると思い込む「遼東之豕」、大熊座の七つの星「北斗七星」、漢字の書き間違いの「魯魚亥豕」などがあります。

猪突猛進の難易度

「猪突猛進」は漢字検定準1級から8級相当の文字組み合わせで、”猪”は準1級で大学一般レベル、”突”と”猛”は4級で中学レベル、”進”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

猪突猛進のまとめ

「猪突猛進」は、まるで猪が突き進むように、周囲や他人は関係なく自分の目標に向かって猛烈に突き進む事です。従って、自己中心的や自分勝手とも誤解されますが、それぐらいに必死になって目標達成に向かって真剣とも考えられます。何かしらの分野で成功する人は、「猪突猛進」と揶揄されるぐらいの勢いがないと難しいのでしょう。

猪突猛進な性格は、時には仇となる時がある。
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