【洗垢索瘢(せんこうさくはん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

洗垢索瘢(せんこうさくはん)

「洗垢索瘢」とは「他人の欠点や過失を真剣に探し出す事」です。所謂粗探しであり、よほど弱点を握って相手を責め立てたいのか真剣な様が窺えます。現在で言うならクレーマーなどに近く、弱点から徹底的に相手を叩き難癖を付けそうです。そんな性格の人を表現している「洗垢索瘢」の解説となります。

洗垢索瘢の意味

「洗垢索瘢」の意味は以下の通りです。
・他人の失敗や欠点をしつこく探す事。
・他人の粗探しに躍起になる。
・垢を洗い流して傷跡を探す事から、転じて、他人の失敗や欠点を暴く喩え。
・「垢を洗いて瘢を索む」と読む。
・諺「垢を洗って痕を求む」も同義。
”洗垢”は「汚れを洗う」「皮膚の汚れを洗い落とす」、”索瘢”は「傷跡を探す」「傷跡を見つける」となり、他人の体の汚れを落として傷跡を探す事から、その人が隠していた失敗や欠点を暴いてしまうのが「洗垢索瘢」です。「他人の体を洗う」という点が一見分かり辛いですが、これは本来は人の体を洗うような真似はしないですが、それぐらい根ほり葉ほりと粗探しの為には何でもするという事です。体を洗うと、本当は隠していたかった傷跡が露わになるので、その執念深さが窺えます。よって、そんな性格が悪い人の喩えとしたり、追い詰めたりケチをつけているとして「洗垢索瘢」が使われます。

洗垢索瘢の由来・出典

「洗垢索瘢」の由来は、中国後漢時代の歴史書「後漢書」の「趙壱伝」となります。

洗垢索瘢の類義語・同義語

「洗垢索瘢」の類義語には、「吹毛求疵」「洗垢求瘢」「吹毛之求」などが挙げられます。

洗垢索瘢の使い方・例文

例文1.洗垢索瘢が得意な先輩を毛嫌いしているが、相手は嫌われているとまったく感じていないので非常に厄介だ。
例文2.失言ひとつをやり玉に挙げて論破する有名人は、その優秀な頭脳が洗垢索瘢でしか役立っていないと気が付かないので哀れである。
例文3.投資で勝つには、チャート上に現われる歪みを必死になって探すようなもので、そればかり年中繰り返していると洗垢索瘢で嫌味な性格になっていて自分でも驚く。
例文4.付き合っている彼女が洗垢索瘢な性分だと知ってしまい、急にゾクゾクして尚更好きになった。
例文5.犬の嗅覚が良いのは有名だが、それで主人の洗垢索瘢をまったくしない我が家の愛犬はどれだけ可愛いんだと親バカになってしまう。
他人への粗探しなど性格悪さを「洗垢索瘢」とした例文です。

洗垢索瘢の会話例

男性
また、食器を洗ってない。それに部屋も掃除してないよね。散らかりっぱなしじゃん。
女性
今洗おうと思っていたの。部屋だって、明日は掃除をしようと思っていたよ。
男性
専業主婦なんだから、それぐらいやってくれよ。これって昼ごはんの食器でしょう。一体、何時間放っておくんだよ。
女性
そうだけど、洗垢索瘢みたいな真似は止めてよ。偶には食器を洗わないで、夕ご飯とまとめて洗う時もあるでしょう。

家事をまったくしない妻に対して、仕事終わりで帰宅した夫が文句を言っています。

洗垢索瘢の豆知識

「洗垢索瘢」から”欠点”に関する四字熟語は、自分の性格の欠点を戒め改める喩え「韋弦之佩」、欠点や不足がまったくない「完全無欠」、少しの欠点を直そうとして全体をダメにする喩え「矯角殺牛」、短所や欠点を捨てて長所を伸ばす「舎短取長」、言動が一致せず欠点や綻びが次々出てくる「破綻百出」などがあります。

洗垢索瘢の難易度

「洗垢索瘢」は漢字検定1級から5級相当の文字組み合わせで、”瘢”は1級、”垢”は準1級で大学一般レベル、”索”は準2級で高校レベル、”洗”は5級で小学校高学年レベルの四字熟語となります。

洗垢索瘢のまとめ

「洗垢索瘢」はよほど性格が悪いのかそれとも何か企みがあるのか、相手や他人の失敗や欠点をしつこく探す事です。元々は人の垢を洗い流して傷跡を探すという意味で、転じて、隠れていた部分が洗い落とされ露わになるので、その位の執念深さを感じさせます。よって、粗探しに真剣で躍起になっているのが「洗垢索瘢」です。

一人の人を洗垢索瘢している。
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